バックバンド扱いの前。幸せいっぱいの一枚。
★★★★★
71年3月リリースのセカンド。ロッドの成功と相乗効果でフェイセズの人気もうなぎのぼり!という時期の勢いが感じられる一枚。
ロッドへの嫉妬も始まっていないのでバンドとしてのノリは最高。ライブトラックは、ロニーレーン在籍時の貴重なもの。
紙ジャケでは、紙袋のミシン目まで再現されるという変態っぷり。
このシリーズではウーララと双璧を成す凝り様です。
土臭さを残しつつも、次作の弾けっぷりを感じさせる佳作
★★★★★
71年発表の2nd。1stは実に土臭くて渋い作品だったが、本作ではその土臭さを残しつつも、フェイセスらしさを感じさせる明解さを開花させている。1.の土埃が舞いそうなサウンドもポップなメロディを聞かせているために実に聞きやすい。ロン・ウッドのモコモコ鳴るギターも、イアンのピアノやオルガンも実に味わい深いが、やはりロッドのヴォーカルがあってこそ光るものだと思う。2.はブルース風味のバラード。ロッドのソロにも通じる味わい深い歌唱を聞かせている。3.はトラッド的な美しいメロディを聞かせる穏やかな曲。ペダル・スティールが渋い。4.はロニーが歌う曲であり、スライドが印象的だが、もうすでに後のスリム・チャンスを感じさせる仕上がりになっている。5.はポール・マッカートニーの有名曲のカヴァーのライヴ録音。ロッドのヴォーカルはかなり荒いが、さすがに聞かせてしまう。6.はいかにもフェイセス!!って感じの弾けたロックンロール。9.はスライドのソロだ。
本作と前作は次作と比べるとかなり渋い仕上がりであり、次作で思いっきり弾けるのが不思議なくらい。でもド派手な彼らも魅力だが、本作くらいの渋目の演奏もまた良い。5.や8.のカヴァーあたりに次作への布石を感じる。
ハードでもプログレでもない、R&B、R&Rを下敷きにした70年代初期正統派ブリティッシュロック。
★★★★☆
フェイセズ2作目。前作では演奏にだらだらした感じがありましたが、今回もそういう部分は(もちろん)あります。
このだらだら感を繰り返し聴いていくと、いつまでもギターのリフが頭に残り次第にはまっていきます。
いわゆるスルメ的アルバムです。(あくまでもハマればですが。)
また前作でボブ・ディランの曲を取りあげていましたが、今回はポール・マッカートニーをカバーしています。(5曲目)
この選曲が以外なんだけれど、彼らにうまくはまっていて良い。(特にロッドの声が)しかもライブバージョン!
あとライブ収録「I Feel So Good 」も雰囲気がものすごくあり、酔っぱらっていれば「Feel So Good!」と思わず叫んでしまいたいです。
くわえタバコのロン・ウッドがギターを弾き、アルコールの入った良い意味でのいい加減なロックをしていたと思うとわくわくしてしまいます。
そしてラスト「Jerusalem」は、高熱の大地に響かせたようなロンのギタープレイに味わいがあり圧巻です。
I Feel So Goodで腰を振れ!Remaster第2段!
★★★★★
'71年にLPとその物ズバリのタイトルにて発表されたFasesの2nd。プロデュースは彼ら自身。曲調はバラエティに富み様々な音楽をゴブリと呑み込み成長していく姿を堪能出来る。冒頭を飾るヘビーな#1はRolling Stones のMobil Unitを使用して録音された。録音場所がスターブローブと有るので、当時のMickの家の近所か?と妄想させてくれます。佳曲#2は後にRonnie LaneがSlim Chanceで再演する事となる。Rodさんのボーカルが切ない。この時代のRodさんは全身全霊を歌に込めており本当に素晴らしい。男の声だなぁ〜と惚れ惚れする。
後のRodさんのレパートリーに直結する美しい#3。Ronnieのボーカルによるカントリフレィバー豊かなBlues#4。
Paulさんの原曲以上に甘酢ぱさを称えたLiveの#5 ヘビイでご機嫌なR&Rから一転!ボビー・キーズのサックスを加えR&B的展開となる#6も彼ららしい拡散美を感じさせる。RonとRonnieによる#7はRonnieの自宅で録音されたリラックスした雰囲気が漂う。
そしてこのアルバムのハイライト!Big Bill BroonzyのBlues曲のLive#8だ!何度聴いても凄い!リズムはかなり怪しいが、バンドが一丸となりクライマックスを迎える。手数を多くして呷るKenney、(これを聴けば何故 Whoが彼を指名したかが解る!) Ronのスライドも最高だし、オルガンを駆使するIanも絶好調で、屋台骨をガッチリ支えバンドを引っ張るRonnieも健気だ!
そして何と言ってもRodの歌!これを聴いて腰が動かない奴とは、お友達には成りたく有りませんなぁ〜 罰としてグランド3周!ちゅうぐらい凄いんです。まだ聴いた事の無い人お願いだから聴いて下さい。これだけやられれば客も興奮するわなぁ〜。ああ タイムマシンが欲しい。
一人で興奮してしまいましたが、気になる未発表#10-13は公式には初出のはず。#10はZepのあの曲なんでしょうか?'71年にはZepの曲はまだ発表されていないのですが?Small Faces時代の"You Need Lovin'"の歌詞がZepのこの曲に引用されているので、Small FacesのYou Need Lovin' /Fasesバージョンと読みましたが、真相や如何に?楽しみです。
やっと出たRemaster+Borns盤ですが、まだまだ有る筈。出し惜しみはいけませんぜぇ〜 今後に期待!
って結局発売延期ですか?発掘音源で揉めているんでしょうが、こうなりゃ待ちますぜぇ!その代わり発掘音源をプラスしてドーンとDelax 2枚組で行きましょう!ライノさん宜しくねぇ〜 無理やろなぁ〜
ストーンズ嫌いな人でもOK
★★★★☆
高校生のとき買ったLPは全体がこげ茶色で真中に丸穴のあいたノスタルジックなジャケットで、中身と似通った雰囲気がしていました。個人的には英国ロックはストーンズを筆頭に好きではないのですが、フェイセズはすっきりしない、スモーキーな音が逆に印象的で結構聴いた。なぜか未だに歌詞も結構覚えている(特にリッチモンド)。
まず、ヘビーな(1)は当時人気のLZなんかに比べるとギターがもこもこした音だが、ロックのボーカルが迫力満点。(3)は後年ロッドのトレードマークとなるイギリス風カントリーの典型で甘くてとろけそう。ロニーレインの歌に殆どへたくそと言っていいスライドがバックの(4)。マッカートニーの原曲に近いがロニーレインの清らかな声とロッドのだみ声が迫力一杯の会場一体ライブの(5)。同じく(8)ライブだが、こちらはブルーズで(原曲はビッグ・ビル・ブルーンジーとなっているが?)シャッフルのリズムに乗ったロックンロール。トータルアルバムじゃないけど、逆にこういうほうが面白いと思う人にはお勧め。