落語が宇宙空間をワープして脳内革命を起こしたようだ。
★★★★★
装丁にまず感動!
歌川国芳の絵がシュールに渦巻いて心臓にどくんどくんと染渡ってくる。南伸坊さんの感性に魅了される。
続いてまえがきが前代未聞。ほめているのかと思うのだけど媚びていない。心優しい上杉清文さんの声が聞こえてくる。
さて本文の平岡正明さんの落語への強烈な思いがこれでもかと思えるほど心に響いてくる。愛がないとかけない評論だ。凄まじい波状攻撃は落語ファンの心を撃沈させるだろう。
巻末の快楽亭ブラックさんとの対談も日常と隣り合わせの異空間へ誘われるようであり、おでんやで隣り合わせて聞いているようで面白い。
800ページもの分厚い本が2800円とはとにかく安い。将来、古書価値が高くなるのは間違いない。神棚に祀ってもバチがあたらないと思う。この本には愛がありライブ感がある。