「ローマは一日してならず」
★★★☆☆
ローマの政治や歴史よりも、ローマ市民の社会生活に焦点があてられていますので、ローマの興亡や悪名高い皇帝個人の図説はあっさりとしています。
ローマ兵士の兜にあるとさか状の飾りは、戦闘中に部下が指揮官を識別できるようにしたものであるとか、逆さにしないと開かない複雑な仕組みの金庫など興味深い解説が多いので楽しめました。家族、結婚、食事、医療、死生観、音楽や演劇、そして剣闘士がコロセウムで繰り広げられる血なまぐさい死闘といった娯楽からは、当時のローマの人々の生活ぶりが目に浮かんでくるようで、現代にも通じる部分が多いのには驚きました。