オリジナルはインディペンデント・フィルム・チャンネルのために製作された作品。ジョン・ルーリーは典型的なフィッシング番組で独特の切り口を使い、このジャンルをまったく異質な領域に置いた――それは変わった場所、異国でのロケだけを指しているのではない。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や『最後の誘惑』での出演で最も知られているルーリーは作曲家、サックス奏者、ジャズ・グループのラウンジ・リザーズのリーダー、画家でもある。だが、釣り人は彼の経歴のどこにも見られない。だからこの都会っ子によるロッドとリールの国への進出は、明らかに異質な体験だ。トム・ウェイツ、マット・ディロン、ウィレム・デフォー、デニス・ホッパー、そして映画監督のジム・ジャームッシュといった仲間たちを釣り上げて、ジャマイカ、コスタリカ、タイといった遠方へのフィッシングの旅を共にするルーリー。その切り口は完全に“ハウ・トゥ”の世界とはかけ離れている。トークショーを想像してほしい。それも瞑想に富んだ沈黙が占めるものを。『フィッシング・ウィズ・ジョン』はフィッシングについては何も教えていない。その代わりにジョンは仲間と過ごすことを楽しみ、みんなで不慣れな分野に挑戦して水に釣り糸を垂らし、不条理なコメントを放り（ロイ・ウェブが淡々と語る）、さらにシュールな考察を加える。これはフィッシングのことはどうでもいい人に向けた究極のフィッシング番組だ。(Sean Axmaker, Amazon.com）