最近買ったものの中ではナンバーワン
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長年聴いてるけど結成20年のバンドが今になってこんなアルバムを出してくるとは
いったいどういうモチベーションなんだ。いまさらですがこれは名盤です。
特にYEAHは振り切れてます。
やわらかいカミソリのような音で全編明るく血管ぶち切れた感じ+大人の余裕。
なんか深い部分ですでに日本のバンドじゃないみたいなところがちらほら。
今までと何が変わってこうなったんだ(笑)
40歳過ぎて(失礼)こんなアルバムを出すなんてあんたらすごすぎる。
このバンドはいつも思うけど実は彼ら固有の新しいジャンルなんじゃないかと。
基本的に他の人たちがやると破綻しそうな部分も「味」に聴こえてしまう。
でもその理由がわからない。
いつのまにかゴージャスじゃない無骨な味を田淵ひさ子嬢の存在が増幅させてます。
洗練よりも素朴な声とか
ガキューン、ドッカーンな音の壁を作りつつ「でも根暗」とか
その辺がどうも彼女にとって天職のように思えるんだけど、どうだろう。
音楽は世界のことば
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ビートルズが「Yeah Yeah Yeah」と日本の音楽文化を開国してから40数年。
未だに「邦楽ロック=ださい」と偏見を持つ奴がいる。
かくいう自分もそうだった。
そんな過去の僕を葬ってくれたのがブッチャーズ。
日本人でもこんな詩を唄えるんだ。
日本人でもこんな風にギターを唄わせられるんだ。
赤ん坊だった僕の世界は広がった。
イースタンユースやバンドアパート……
日本にはすげぇバンドがいっぱいだ。
僕を待っていてくれた。
音楽は世界のことば。
今日も僕らは「Yeah」と叫ぶ。
……レビューになってないね、これ(笑)
とにかく「洋楽派」にも聴いて欲しいバンドです。
(洋/邦で価値観が分けられるのが、日本音楽界のおかしいとこだこどもん)
安心する
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なぜ、こんなにもうるさく、こんなにもざっくりしているのに、こんなにも気持いいのだろう。不思議だ。
常に何らかの雑音が鳴っている、時に吉村英樹の声さえも雑音かもしれない、しかしこの音のカーテンに包まれると、安心すら感じる。
自分をとりまく何かから守ってもらっているような感覚。
いままで幾多のロック音楽を聴いてきたが、こんなことを感じるバンドは他にいなかった。
なぜ、日本人は、彼らの音を、歌を聴かないのか。なぜ、日本人は、彼らの存在を大切にしないのか。
それもまた、僕には不思議なのだ。
完全に□になったブッチャーズ
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ブッチャーズ2年ぶりのニューアルバム。
そもそも前作は正に4人になって最高潮!みたいなテンションの高い作品だったが
インストの多さも含め実験的な作品であった。なので本質が見えにくかったのだ。
しかし今作、正にその実験が実を結んだ傑作である。隙が全くない。
まずこのアルバムは全ての曲において同じ空気が流れている。
ここ数作はそういう感じではなかったので3人の頃に近いのかな。
また前作はサビを丸々田渕ひさ子が歌う曲がありそれが個人的に微妙だったのだが
今回はその不満点も解消、あくまでメインでは歌わず違和感は消えた。
2人で歌う「ギタリストを殺さないで」も次第にハマって来てしまった。
このアルバムを聴いて思うことはやはりブッチャーズのロックは唯一無二であり、
次第にメディアからの注目度が下がってる今、伝えなければいけないということ。
特に「yeah#1」なんかは絶対キャッチーだと思う。確かにゴツゴツとしてるが
サビの「Yeah」を繰り返す所の開放感が非常に良いのだ。
またブッチャーズは地味ながら色々な人々がリスペクトの意を上げているので
その才能を確認する意味でも是非。バッキバキのロックンロールが鳴ってます。