名演・迷演・冥演・・・尽くしです。
★★★★☆
個人的には、祈りの表現を感じる演奏が好きなのですが、
ここで取り上げられている演奏家の多くは、
どちらかといえば、覚悟のある方たちです。
たとえば、ケーゲルのアルビノーニとか、
同じく、最後の来日演奏でのアンコール(G線上のアリア)だったり、
テンシュテットの90年代の演奏とか、
とにかく、通常の解釈では満足できない人にとっては、
この上なく刺激的なコレクションを構築することができるでしょう。
どうしてもマニアックにマニアックに掘り進んでいくせいか、
海外のマイナーな輸入盤が多く、日本での正規代理店がないために、
著者が経営するアリアCDに注文しないといけないという、
そのフロント書籍としての役割を持っているようです。
本書の中には、前著『クラシックは死なない』での記述が、
重複して収録されているところもあったりして、
ページの割には、目新しさがないのも否めません。
満足できない方は、直接店主のHPにアクセスして、
大量の情報の中から、まだ見ぬ迷盤を探していくもよし…。
いろいろと楽しめるのでは。
前著との繰り返しがあったので、
星は★★★★★ではなく、★★★★にさせていただきます。