普通に聞きましょう
★★★★★
79年、あの「ホテルカリフォルニア」から2年半ぶりに発表された6枚目のアルバムです。
リユニオンがあったので、ラストアルバムとはいえませんが、実質的には、ラストと言っても良いでしょう。
さて、この類のアルバムの場合、どうしても、大ヒットした前作と比べてしまいます。前作にはタイトル曲という大名曲があり、アルバムとしてもコンセプトアルバム的な作りであったのに比べると、まとまりに欠ける、地味といった印象になるかもわかりません。
ただ、もちろん、全盛期の勢いのある彼らだけに、捨て曲がないのはもちろん、曲それぞれを比較すると、決して、前作にも引けをとらないものになっているかと思います。
というわけで、普通に聞けば、星5つのアルバムと思います。
統一感は欠いている様に思えるものの
★★★★☆
説明不要のロック・バンド、イーグルスの(スタジオ録音としての)最終作となった本作('79年作)。誰もが知るところの名盤"ホテル・カリフォルニア"でウエスト・コーストの頂点に登りつめた彼らが、最大級のプレッシャーを背負いながら世に問うた本作が奇しくも最終作品になったというのが、何とも歴史的な価値をも感じさせます。
ファンの方であってもその評価が分かれる作品である事も多々指摘されますが、アルバム全体を貫くような統一感は欠いている様に思えるものの、タイトル曲の[1]、新加入したティモシー.B.シュミット(b)主体による[2]、カラリとした良作である[3](こちらはJ.ウォルシュが主体)など、それぞれの楽曲が非常にまとまりがよく、高質である点は間違いなところかと思います。
#幾つかの楽曲は、旧知の仲であるJ.D.サウザーとメンバーの共作も含まれています。
真っ黒なジャケットにかすれながら浮かぶEAGLESとLONG RUNという文字。何か自分達の今後を暗示するかのようなシンプルなジャケットも逆に意味深。
ジョー・ウォルシュにもっと焦点を当てることで活路を開けたのでは?
★★★★☆
本作は、イーグルスがホテル・カリフォリニアでウェスト・コースト・ロックの頂点を極めた後、周囲の多大な期待というプレッシャーの中で完成させた作品。ホテル・カリフォルニアに比べるとアルバム全体のトータル・メッセージ性や名曲充実度の点で劣る(例えばディスコ・ブームを題材にした曲としては本作M4より、同時期のジャクソン・ブラウンのディスコ・アポカリプスの方が優れている)のは確かである。それでもM1、M2、M3、M6、M10といった佳曲を世に出してイーグルスの70年代の一連のスタジオ録音の名作群の最後を飾ったのはさすがとしか言いようがない。特にタイトル曲とM3が私は好きだ。中でも「イン・ザ・シティ」はジョー・ウォルシュが自分で曲を作り歌うスケールの大きな、実にかっこいい曲。私の約30年前の記憶が正しければ、ウォルター・ヒル監督の映画「ウォリアーズ」に使われたはず(間違っていたらごめんなさい)。もしかするとジョー・ウォルシュの活躍の幅を広げることに、イーグルスの新路線開拓の可能性があったのではと思うが、残念ながら本作でジョーの活躍が光るのはこの1曲だけである。ラストの「サッド・カフェ」もしみじみと心に染みる味わいがあり、「テイク・イット・イージー」から始まった70年代イーグルス名作群の有終の美を飾るにふさわしい曲である。結論として、プレッシャーをはね返してここまでクォリティーの高い作品を完成させ、自らの70年代傑作群にピリオドをうったイーグルスに敬意・感謝の気持ちを抱かせる、そういう作品である。
前作ほど癖はないです。
★★★★★
前作よりも、後に制作されたにもかかわらず。オリジナルの音質が悪いです。特にシンバルの切れがイマイチ。買うのであれば、リマスター版の方がいいでしょう。
前作とは違い怪しい雰囲気や、隠されたメッセージ性やコンセプト性はないですが、1曲1曲の完成度は高く、丁寧に作られいるので単品でいつでも聴ける曲が多くあります。全体としては、ジャケットのイメージ通り大人の雰囲気を醸し出し重厚感があります。わるくいえば全員脱力しています。このころは、いろんなことがあったりして迷走期であったかもしれません。ティモシーの名曲「I Can't Tell You Why」も入っていてこれだけでも大きな価値があります。
好きなアルバムです
★★★★☆
イーグルスの実質ラスト・アルバムになります。これまでのすべての作品の中で最もソリッドでタイトなオト作りをしています。前作品まで若干残っていたカントリー・フレイヴァーもここではすっかり影をひそめ、これまでになくR&B色の濃いロック・アルバムになっています。カントリーが売りであったデビュー時のオリジナル・メンバーはすでに二人のみとなっていますので、それも当然でしょうか。
ベスト・アルバムに入るのは1,2,6あたりです。素晴らしい曲が何曲もあり、とりあえず最後まで楽しんで聴くことができます。しかしアルバム全体として聴くと"Teenage Jail"や"Disco Strangler"など明らかに質の低い曲が混ざっていてダレます。またイーグルスといえば奥行きのある歌詞も大きな魅力ですが、このアルバムの曲の歌詞は非常に陳腐な言い回しの表面的でシンプルなラヴ・ソングが多く、その辺りもがっかりです。
個人的には最後のSad Caféがお気に入りです。この曲は誰だったか関係者に捧げた曲ですが「バンドの終焉」「時代の変化」も感じさせる哀感あふれる歌詞で、非常に感動的です。
この最後の1曲があるだけで、このアルバムを買ってもいいと思います。名盤とはお世辞にも言えない作品ですが、思い入れの強い作品ですので★おまけ。