Back to Oakland
価格: ¥2,197
70年代初頭のオークランドをベースにしたさまざまなバンドで構成されたタワー・オブ・パワーは、当時人気だったロック・ホーン・バンドへの西海岸からの答えだ。だが、シカゴをはじめとする彼らのライバルたちがキャッチーなホーンのヒット曲や当たり障りのないリリックに頼っていたのに対し、タワー・オブ・パワーは同時代のどのバンドよりもファンキーで、根性があり、はるかに脂ぎっていた。『Back to Oakland』(邦題『バック・トゥ・オークランド』)は、彼らの最強のアルバムではない。先を期待させる最初の2曲、「Oakland Stroke」(邦題「オークランド・ストローク」)と「Don’t Change Horses in the Middle of the Stream」(邦題「ドント・チェンジ・ホース」)のあとは、形のはっきりしないジャムに陥ったり、このバンドが陥りがちだった平凡なリリックに動きを封じられたりしている。ファンなら全体を通して力強いホーンセクションを味わうこともできるが、TOPをはじめて聴く人に最初の1枚としてはお勧めできない。むしろセカンド・アルバムの『イースト・ベイ・グリース』(原題『East Bay Grease』)のほうがいいだろう。(Tom Vickers, Amazon.com)