『怪奇お伽噺』的な世界が完璧に出来上がった終着点とも言えるアルバム
★★★★★
1976年12月27日リリース。1976年9-10月、オランダ、Hilvarenbeekのライト・スタジオにて録音。このアルバムを最後にギターのスティーヴ・ハケットが脱退するのだが、スティーヴ・ハケット自身はこのアルバムをジェネシスのアルバムの中で最も気に入っている作品と言っている。
ハケットの弁も最もで、4人の技術的なコンビネーション、特にスティーヴ・ハケットのギターとトニー・バンクスのキーボードが変幻自在に牽引する音空間はジェネシスのここまでの作品の中で最も濃密であって、ピーター・ガブリエルの推し進めた『怪奇お伽噺』的な世界が完璧に出来上がった終着点とも言えるアルバムだと思える。この重厚なサウンドは次作『セカンド・アウト』でほぼ完璧にライヴで再現されることになり、そのライヴ・アクトの実力にも驚くことになる。
アルバム発表当時のライナーは伊藤政則氏が書いているのだが、誤字脱字だらけで、未だピーター・ガブリエルの内容を引き摺っていてまったく的外れである。全英第7位・全米第26位となかなかの成功作であるが、ジェネシスの変容と前進はまだまだ続くのだ。
絶対に聴いた方が良い。
★★★★★
単純にアルバムの完成度だけの話をします。
スタジオ・アルバムとしては、ジェネシス、これが最期のプログレッシブ・ロックでしょう。
その次は「そして三人が残った」というポップ路線です。
彼らの一つの転換期の一枚。
これを最期にギタリストのスティーヴ・ハケットが脱退。
幻想ジェネシスの最右翼が去る前の渾身の一枚。
全曲捨て曲無し、そして無駄なパートも無く、全てが必然で進行しています。
・・・が、そのくせ、なんか影が薄い存在の不思議なアルバム。
正直ここまでの完成度をだせるバンドは、そう無いはず。
皆さん、手元に是非一枚。
彼らの一つのピークを示したプログレ屈指の名盤
★★★★★
76年発表の9作目。日本では『静寂の嵐』のタイトルで長年に渡って愛され続けている傑作アルバムだが、ファンには『鍵盤の嵐』と評されるトニーの鍵盤が全面に出た作品である。トニーとハケットとの確執は昔から色々と言われているようだが、結果としてこのアルバムの後、ハケットはグループを去った。本作と前作『トリック・オブ・ザ・テイル』は彼らのブログレという範疇に置いては完全なピークに当たり、曲、完成度においてもプログレの名盤の中でも重要な作品である。むろん個人的には死ぬほど好きな一枚である。
没落貴族を歌った1.からしてアレンジ、曲ともに屈指の完成度を誇る。不安定な雰囲気のイントロから重圧なメロトロンが入り、目の前が開けるかのような歌メロと流れ、中盤のシンセによる短い間奏と一瞬たりとも聞き逃せない曲構成は畑が違うものの、パープルの「紫の炎」を彷佛とさせる完成度。2.は憂いを帯びたメロディの美しい佳曲。フィルのヴォーカルも素晴しく、かつトニーのピアノもバッキングとしてはベストとも言うべき演奏を聞かせている。3.は何も言うべきことはない屈指の名曲。やはりトニーのエレピによるソロは印象的。6.のガット・ギターによるソロからがハケット色が強くなり、また盛り上がる。その6.はフィルのヴォーカルが素晴しい名曲だが、7〜8.のインスト、屈指の名曲9.の流れは凄まじい感動を覚える。
幼少の記憶を書かせていただけば、田舎である地元のCD屋にジェネシスは本作しか置いてなかった。(ちなみにマイク・オールドフィールドは『ムーンライト・シャドウ』のみ) やむなく本作を聞いて最初はガッカリしたものの、今はないそのCD屋のセンスの良さを懐かしんでいる。
何故2枚組なのか、、、
★★★★☆
このアルバムは私のマストアイテムなので、LP2枚、CD1枚、カセット(昔はこれで移動)と持っている。故に映像CDだけほしいのですが、単品販売はしないのでしょうか?、CDはリマスター、特別編集でもされているなら別ですけど。ジェネシス史上最強のメンバーによる映像モノにしても無駄なカップリングに思えてなりません。
無駄に抱き合わせ商法!!足元見すぎ!
★☆☆☆☆
本当に大好きなアルバム、フィル時代で一番好きかも知れない。
だから余計にレコード会社に腹が立つ。
ハイブリッドSACD+DVDってヤクザみたいな抱き合わせ商法。
ここまで高く売りつけるなら、どっちか1つで良いに決まってる!
他社がこんな下劣な売り方のマネをしない事を祈ります。