降りしきる雨の中、恋人からボロボロになるまで殴られ捨てられた梨里(しらたひさこ)。その様子を見守っていたタケル(山本太郎)は、やがて気絶した彼女を洋館の屋根裏部屋へつれ去り、監禁する。はじめは洋館から逃げ出そうともがいていた梨里だったが、過去のトラウマに苦しみながらも自分を気遣うタケルと接し続けるうち、いつしか奇妙な関係性を築いていく……。
松田美智子の同名ノンフィクション小説を原作とした映画化シリーズ第4作で、監督は『ひき逃げファミリー』『ISOLA』などの俊英・水谷俊之が担当し、過激な倒錯性の中にも文芸的な香りを醸し出している。今回はタケルの過去をめぐるミステリ的要素も加わっており、動的な個性が売りの山本太郎が不気味な長髪姿で異彩を放つとともに、新境地を開く熱演ぶりを提示。その母親役・加藤治子の不可思議な存在感もいい。(的田也寸志)
山本太郎と加藤治子の存在感
★★☆☆☆
4人目の「飼育女優」となった、しらたひさこは2007年度にミス・インターナショナル日本代表にもなっており、歴代の主演女優の中では一番の出世頭かもしれない。ところが、残念なことに日本代表となるほどの魅力が、この作品の彼女からは感じられないのだ。のちに白田久子と改名してからのグラビアなどを見ると、それなりに魅力的なのだが、この作品では彼女の魅力を引き出し損ねたのかもしれない。そのためにシリーズの中では最も印象が薄い主演女優であり、印象に残るシーンも皆無といっていい。
もっとも、クレジットの先頭は山本太郎であり、さらに山本太郎を監禁した老婦人が加藤治子となれば、彼らの存在感に太刀打ちできるはずがない。地下室という淫靡な舞台はよかったものの、ミスキャストだったと言わざるを得ない。
もちろん、ミス・インターナショナル日本代表の「お宝映像」という価値は大きいのだが。
しらたひさこ・・・印象には残らない
★★☆☆☆
恋人にボコボコにされて捨てられた女を拾ってきて、不思議な洋館に監禁するというもの。
山本太郎の髪型が不自然。
しらたひさこって、キレイな人だけどあまり印象には残らない。
松山ケンイチが…
★★☆☆☆
この映画の一番の見どころは、オープニングショットの松山ケンイチ演ずるヒモ男が恋人の女子高生役の白田久子を、金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、ボロ雑巾の様に捨てるシーンです。雨のそぼ降る中、泥まみれになりながら、泣いてすがる女子高生を、ヒモ男が殴って蹴って終いには階段から突き落とすんですが、このシーンの松山ケンイチが(無名時代なので顔なんか写ってませんが)往年のショーケンを彷彿させてスターの片鱗が垣間見えて、最高にカッコイイです。
残念ながら後は観るべき所は在りません。長髪の山本太郎がキモいだけです。
「お宝」になり損ねた作品
★☆☆☆☆
2006年11月に、ミスユニバース日本代表の「お宝」的なDVD発見、ということで不可思議な(静かな?)ブームとなった作品。プレミアムを期待して、購入したとかいう話も聞きましたけども。予想外というべきか、予想通りなのかもしれんが、本作はミスユニバース御本人ともども、数週間の内に忘れ去られてしまったようですわな。
本作の内容はマニア向けといえるもんで、縄でしばって脚をバタバタさせたり、大根演技(演技というより、ロケの苦痛さが顔に出てはる)が圧巻の正常位、騎乗位シーンと、泡沫タレントがまた泡沫に戻ってゆくのが納得でけるクオリティ。バニー衣装のケツから太股あたりのセクシーさが唯一の救いでしょうなあ
桜が散り、二人の結末は・・・。
★★★☆☆
恋人に捨てられた少女を男が監禁する。少女は抵抗するが、トラウマを抱え苦しむ男・タケルに次第に心を開いていく・・・典型的なストックホルム症候群の話だ。
シリーズ四作目という本作の設定は古い洋館。そこに暮らすタケルの服装やアンティークの家具、3人の関係を暗示する3匹の金魚、舞い散る桜など美しく、どこか耽美的でもある。
作品全体としては上手くまとまっているとは思うが、ラストの地下室のシーンでは設定にやや強引さを感じた。過去の記憶に苦しみ何度も倒れるタケル。その度に衣装を変えて登場する少女・・・というのは如何なものか?
山本太郎の長髪に違和感を持たれた方もいるだろうが、私は今回の役に合っていて良かったと思う。