レスポールVSフライングV
★★★★★
マイケルのレスポールから放たれるリフ、ソロは若さゆえ完成前といった感じですが勢いでは他にないマイケルのギターを聞くことの出来る貴重なアルバムです。個人的に大好きなアルバムです。
記念すべき1st。可能性を感じるヘヴィ・ロックの名盤!
★★★☆☆
一応クラウス・マインが歌っていますが、2nd以降のウリ・ロート主導のスコーピオンズとは、全く別なバンドです。プロデューサーは「ジャーマンロックの父」こと、コニー・プランク。そのせいか・・・でもないか、とにかく全体に暗くけだるく、楽曲も冷たくてマイナーです。いまさらこれを聴いてみたいという人は、スコーピオンズやマイケルのアーリー・デイズを体験したいマニアの方がほとんどでしょうけど、楽曲、演奏ともいまいち地味なので、あまりおすすめできません。音はヘヴィですが、まだバンドがなにをやりたいのかあまり分かっていない状態です(4曲目はこの後もライブで演奏されていましたが)。もしマイケルがUFOに引き抜かれた後、ウリが加入していなかったら、このバンドどうなっていたんだろう、と余計な心配もしてしまいました。やはりマイケルのギターはさすがです。弾きまくりは、聴かせます。それと後任のウリ・ロートってやっぱ凄い。あらためて彼の才能のでかさを感じました。
カラス、サソリ、そして死
★★★★☆
『ドイツロックの雄』スコーピオンズのデヴューアルバム。
ジャーマン・プログレの聖地、ブレインからのリリースと
あって、内容もそれっぽい…重く引き摺る感じを、当時
ライナー・ノーツを書していた渋谷陽一氏はサバスっぽい
と称したが…それは違う!などと憤慨した当時が懐かしい。
スコーピオンズのデヴューでもあるが当時、若干16歳だった
マイケル・シェンカーのデヴュー作という事も特筆に値する。
まだ切れも甘く、ギブソンのフライングV+マーシャル50W
から紡ぎだされる特上のあのトーンも未確立ではあるものの
ソロの組み立て方に既に非凡な部分、未曽有の可能性が光る。
カインド・オヴ・ブルー時代のマイルス・デイヴィスに近い
ソロ構成を試みている?などと誇大妄想癖のある私は勝手に
妄想の翼を広げて、闇夜に旅立てる、そんなアルバムである。
その最初は
★★★☆☆
なんとなく聴きづらかったのですよ。今の蠍とはまったく異なる
んですからね。ジャーマン・プログレです。実際 セカンドから
一気にハードロックにシフトし始めている気がします。
ただ、バラードにおける美しさというのは、当時からもっていた
のだね。才能が素晴らしい蠍団です。
いまに繋がる源流が見える!?,
★★★★☆
知る人ぞ知るScorpions のデビューアルバムです。若い(?)ファンの方々にとっては2代目ギタリスト、ウルリッヒ・ロートが脱退してから既に25年以上も経つのに、その前の出来事など、化石のように苔むした話かもしれません。いうまでもなく、グループの初代ギタリストはマイケル・シェンカーであり、本作品は1972年に発表された歴史的アルバムです。心して臨みましょう。
とは、いいつつもこの作品から今のScorpionsの姿を見出すことは至難の技かもしれません。1972年という時代はまだアートロック(参考例としては、ヴァニラ・ファッジあたりが適切でしょう)の影響が残っていて、あのDeep Purpleですらやっと「In Rock」を世に送り出そうかという時期。ましてや音楽的にまだまだ辺境の地にあった西ドイツ(当時)では、第1期Purple の後をなぞるのが精一杯だったことが、この作品を聴いても手にとるようにわかります。メンバーはシェンカー兄弟に、クラウス・マイネという黄金メンバーですが、いまでは考えられないほどのおとなしさ。クラウス・マイネ自慢のハイトーンヴォイスも最後まで封印されたままです。暗く、まさにドイツの冬の荒野を突き進むというイメージが沸いてきます。
マイケルのギターも随所にキラリと光るものが見られますが、まだ所詮は「タマゴ状態」。グループを離れてUFOで武者修行を積んだことは大正解だったと思います。