内容は中学国語レベル
★★★★☆
なかなか上手な朗読のCDが一枚付属しており、
この巻では兼好法師の『徒然草』と鴨長明の『方丈記』が収められている。
当然、『徒然草』も『方丈記』も抜粋であるため、全文を読みたい方には
物足りない内容になっている。
以下に収録されている条(くだり)を紹介してみよう。
まず『徒然草』であるが、
○神無月のころ
○九月二十日のころ
○賀茂の競べ馬
○仁和寺にある法師
○名を聞くより
○ある人、弓射ることを習ふに
○高名の木登り
○花は盛りに1
○花は盛りに2
○花は盛りに3
○花は盛りに4
○能をつかんとする人
○世に従わん人は
○丹波に出雲といふ所あり
『方丈記』は
○ゆく川の流れ
○養和の飢饉1
○養和の飢饉2
○日野山の閑居
となっている。どれも見開きぐらいで、読むのはさほど苦痛ではない。
構成は[作品解説]という、作者と時代背景などを解説する前文があり、
原文は大きく見やすく、その左隣に現代語訳が小さく書かれており、
次の頁に品詞分解、重要語句の解説、通釈が書かれている。
そして最後に読解・文法のポイントが書かれている。
以下、この繰り返しで進んでいく。
難易度としては、中学の国語の古文分野程度であるので、
古文が苦手な高校生は使用してみても良いと思うが、センター試験の
方がはるかに難しいので、大学受験対策には使用できないものと思われる。
社会人が、ひと時の休息に古文を味わいたいと思われるならば、
内容が軽く読みやすいので、最適の書であると思う。
総頁数は130頁足らずで薄く、紙質も良い。