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周公旦 (文春文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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酒見ファンか、中国歴史好きにしかお勧めしない ★★☆☆☆
これは、酒見ファンか、中国歴史好きにしかお勧めしない。
単に小説を読みたいという人が読んでも、きっと面白くないだろうと思う。
新田次郎文学賞受賞作 ★★★★☆
新田次郎文学賞受賞作
中国古代時代小説

周王朝建国に大きく貢献した周公旦の半生を描く
彼は政治家でもあり、シャーマンでもあったのか!?

最初の方で周公旦が宣戦布告の文で戦意を高揚させる場面があった
これはRPGで言うところの補助系魔法(ドラクエのバイキルト)か


冗談はさておき、「礼」の力とはどういうものなのか
非常に興味深かった

霊的なものを信仰し、霊的なものに対する感受性が高い集団
その集団に対し、神託を巧みに下すことによりコントロールしていく技術は魔法といっても過言ではないのかも

また、中国の制度・文化を受容し、接用した地域は、即ち準中国となる
この思想もおもしろかった

大変、興味深い作品だった!
やっぱりスゴイ人。 ★★★★★
酒見賢一って、やっぱり特殊能力の持ち主だと思う。
殷、周といえば、それなりにリアルな歴史として考えてよいが、まだまだ霞に包まれた時代に変わりはなく、小説の舞台として自由度が高い。だからこそ、今ある資料や文献にキッチリ目を通した上で、酒見氏の「当時人・現地人になって語る」特殊能力が発揮されると、はるか昔の、倫理観も習慣も何もかもが違う国に命が吹きこまれる。
主人公の周公旦が当時としては数少ない「読み書きのできる人」で、演説原稿を武王のために用意したのは何カ月も前なのに、その内容が現実とぴったり符合し、しかも殷討伐連合軍を最適な状態に高揚させたことから、太公望呂尚に恐れられる。この、現在の状況から未来を見越して文章を作る行為がある種の「予言」にあたり、こういう現実的な能力を持った周公旦像なら、預言者(恣意的イタコ)としての呪術話もアリと思え、すっかり引きこまれてしまった(酒見マジック!)。
当時人になって語りつつ、現在の感覚で入れるツッコミとのバランスが絶妙なので、派手に売れる作品ではないだろうけど、たくさんの人に読んで欲しい。ただし、『泣き虫弱虫諸葛孔明』みたいな、「お腹が痛いほど笑うツッコミ」を期待されるとちょっと違うので、そのあたりはご了解願います。
“酒見賢一の小説“と考えると不満はあるが、文章を読んでいるだけで心地よい。 ★★★★☆
きっと、傑作「陋巷に在り」を執筆している時期の副産物なのだろう。失敗作や怪作(語り手の事情?)はあるかもしれないが、駄作は考えられない作家なので、この作品も費用対効果でいえば充分もとが取れ、さらにお釣りがくるくらいだと思う。だが、酒見賢一が書いた小説だと考えれば多少不満があった。面白さでいえば「後宮小説」や「泣き虫弱虫諸葛孔明」の方が上のような気がするし、硬質さでいえば「墨攻」の方が上のような気がする。

歴史を新しく解釈するだけではなく、それを小説としてリーダビリティの高い作品に仕上げる作家が酒見賢一であるはずだが、この「周公旦」は、新たな解釈を生んだとしてもそこで止まってしまい、小説としての仕上げが足りなかったような感がある。

とはいえ、無駄な句点を排した酒見賢一のリズムとしかいえない独特の格調高い?文章を読んでいるだけでも心地良かった。
著者の手腕に感服 ★★★★☆
古代中国で周の建国に大きな功績を残した賢臣・周公旦の半生を主題とした小説.歴史資料(歴史的事実?)に材を取りながら,臨場感溢れる時代描写&心理描写を補い小説として仕上げている.そのためか,基本的に淡々とした叙述であるが感情移入しやすく,一気に読めた.歴史資料の行間を想像で補って,見事なファンタジーとして語り上げる著者の手腕に感服.新田次郎文学賞受賞作だそう.