陽光を湛えた1「On The Sunny Side Of The Street」、グレン・ミラー楽団と比べてしなやかな心模様になった2「Moonlight Serenade」など作品冒頭の編曲で、緩やかに音楽が盛り上がってゆきます。ボサ・ノヴァになったスタンダードジャズは、もはやすぐにそれを自然だと感じるほどのシンクロ性があり、楽曲の新しい美しさや両音楽の溶け合える縁も感じられます。
例えばコール・ポーター代表曲の一つ5「Night And Day」。フレッド・アステアが歌った品のある声と軽やかな音色はボサ・ノヴァのタッチと相性も良いです。また間奏に挟むワンノートサンバも、思えばこの詞が音楽的な遊び心で一途な愛を綴られたことを思い出すと、間奏の遊び心、そして「Night And Day」の濃厚な求愛の主題とのクロスオーバーをみれた気がします。
オスカー・カストロ・ネビスが、プロデュースにギターと歌で入って、オール・アメリカン・スタンダードなアルバム。"ムーン・ライトセレナーデ"や、"チャタヌガ・チュー・チュー"まで入って、気分はほとんどグレン・ミラー物語。なのですが、彼女とこのバンドメンバーでやれば何故か新しく響くので、そこが良いです。温故知新なアルバムと言うべきでしょうか。ドン・グルーシン、デイブ・カーペンター、マイク・シャピロがコアメンバーなので、そういう意味でもポイントが高い! ドン・グルーシンがこれだけボサノバしているプレイをずっと一枚やってるアルバムはこれしかないのではと思うと、ますます価値が高いのです。また、"Night and day"を楽しくワンノートサンバでやっているところとか、所々遊びも入って余裕な演奏。楽しいです。
~軽快なリズムと透明な歌声を満喫~★★★★★
「リオ・ボッサ」「LISA’S ONO BOSSA HULA NOVA」と並んで、 軽快なリズムと透明な歌声が満喫できる、お気に入りの一枚です! リラックスできるので、お風呂タイムの音楽にもいいですよ♪ 師ボサノヴァの神様アントニオ・カルロス・ジョビン氏の歌われる歌よりも、 小野リサの方が歌声に明るさがあって、透明感を感じ、とても好きです!