このアルバムは全曲名曲、名編曲、名演なのだが、どうしたら、この良さが、伝わるのか、判らない。
だって、アイドルのアルバムにインストが、入っているんですよ。
森高の歌うドラムは、全開だし、「銀色の夢」も「片思い」も、せつないし、この頃の森高は、かわいいし、でも、書けば書くほど、このアルバムの凄さの本質とズレる気がする。
次の「sa va sa va」と合わせてビートルズ「ラバーソウル」のように、聴いて欲しい。どこでも、安く手に入る
今のうちに、偏見を捨て、体験するべし。

ロンドン・アビー・ロード・スタジオ録音もあり、全体的にブリティッシュ・ロックへの傾倒が感じられます。インナーにはロンドンと思しき街を歩く森高の写真が収められています。マイ・アニバーサリーはビートルズのHello Goodbyeそっくりです。

このアルバムが出た当時、森高もあまりにメジャーになってしまって、その独特の感性、独特の人を喰ったような歌詞の世界が、普通の世界になってしまった感はあった。CMで流れたヒット曲だけでなく、マイ・アニバーサリーやTony Slavinのような、爽やかでちょっぴりセンチメンタルな世界が拡がる。鼻にかかった声は、いつ聴いても心惹かれるし、アルバムとは関係ないかもしれないが、この頃、すでに彼女はすっかり落ち着いた大人の女性として、美人なだけでなく、丸さというか、やさしさが溢れてきている。ちょっと風変わりなお姉さん、ファンだった自分はますます美しくなる彼女になぜか、残念な気持ちがしたものである