はははあるあるこんなメモオフ!!
★★★★☆
メモオフが昨年シリーズ発売10周年を迎え、その記念の一作であるのが本書。
エンターブレインマジキュー4コマからの刊行。
「全シリーズのヒロインたちが総出演」「10年の軌跡がこの一冊に!!」と帯紙で謳われているが、実際のところ、登場するヒロインはもとより、取り上げられる作品も意外と結構偏りがあったりする。また、マジキュー4コマであるからか、通常のコミックと比較すると少々ページ数が少なめであり、その辺りは「やや物足りない」と言う人もいるだろう。
4コママンガとして、ギャグ主体であり、「はははあるあるこんなメモオフ!!」と笑わせてくれよう。原作にあるようなドロドロしさはないので、ギャグとしてすっきり笑わせてもらえる(ただし読んで脳をゆすがれるかどうかは読者次第)。
それぞれのヒロインや主人公(プラス信)の特徴がよく生かされており、作画も原作から崩れているものも比較的見受けられない。
10周年記念刊行の目玉として、♯5の仙堂麻尋役の井ノ上奈々による描き下ろし作品や、数々の良作を書き上げた同じくエンターブレインファミ通文庫小説版メモオフでおなじみの日暮茶坊氏原作マンガもあるが、メモオフ4コマといえば、この人を忘れてはならない。そう、森しんじ氏である。今回の森氏は、1stでの信のおバカ大炸裂である。やはり信は信である。
その他、4thの一蹴が「BL」に悩まされる(その相手はなんとアノお・か・た!)もあるなど、10周年記念の描き下ろしメモオフギャグマンガということもあり、本全体としてそのものの存在意義は非常に大きいが、個々の作品や全体のバランスとなれば、「もう一息ほしい!!」というものちょこちょこ散見されるため、総合的に判断した結果、星4つとしておこう。
表紙は、やはりメモオフキャラ作画でおなじみの松尾ゆきひろ&輿水隆之による描き下ろし。