【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ヨッヘン・フォン・ラング/編 小俣和一郎/訳 出版社名:岩波書店 発行年月:2009年03月 関連キーワード:アイヒマン チヨウシヨ イスラエル ケイサツ ジンモン ロクオン キロク あいひまん ちようしよ いすらえる けいさつ じんもん ろくおん きろく、 イワナミ シヨテン イワナミシヨテン 0365 いわなみ しよてん いわなみしよてん 0365、 イワナミ シヨテン イワナミシヨテン 0365 いわなみ しよてん いわなみしよてん 0365 ナチスによるユダヤ人殺戮のキーマン、親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン。戦後アルゼンチンに逃亡し、リカルド・クレメントの偽名で自動車会社に勤めていた彼を、一九六〇年、イスラエルの情報機関モサドが拘束、イスラエルへ連行する。全世界が注目したアイヒマン裁判。準備にあたって、イスラエル警察は八カ月、二七五時間にわたり尋問をおこなった。迫真の駆け引きから浮かび上がる、アイヒマンの人間
モサドがこんなに甘いか?
★★★★☆
アイヒマンの取調べ記録として詳細なところまでまとめたものであるが、本書の中では紳士的なやり取りが延々と続いている。
しかし、実際にはこんなに紳士的に話が進んだのであろうか?質問側もアイヒマンの回答も、かなり脚色されているような気がしてならない。
またここまでやるのであれば、続編として裁判記録も出して欲しい。
読み手に不親切な本
★★★★☆
内容については、諸レビュアーの通り。ベストセラーにもなりうるような、緊迫した内容であり、翻訳も良い。アイヒマンと取調官の2人の遣り取りを隣で聞いているような雰囲気がある。但し、登場人物はヒトラーやヒムラー以外にも、2人の共通の戦時中の知人の名前がいろいろ出てくるが、読者は時代背景やその登場人物をあまり知らないケースが多いので、完全に2人の会話をすぐに理解できないキライがある。主な登場人物の当時に果たした役割や立場、名前などを一覧表にして欲しかった。その程度のものは推理小説の文庫本にもありますけどね。その程度のことも出来ない大出版社が、悲しい。いったい出版社は、この本をベストセラーにしたいのか、専門家向けのものだけに留めたいのか。力任せのやっつけ仕事では困るのではないか。活字離れが言われて久しいが、このような読者に優しい本作りが大出版社でもできないことも一つの要因なのではないか。同様の大きさの他の本に比べて割高なのだから、もう少し読者に優しい本作りをして欲しかった。
600万人のユダヤ人が葬り去られた事実は
★★★★★
ホロコーストを引き起こした張本人アイヒマンの調書が淡々と綴られています。
なぜ、人は残虐な事をしてしまうのか。組織の中で行動していると、人間本来行わないような残虐な事をしてしまうのか。
いいわけとして「知らない」「私はしらない」と何度も調書の中で話しています。
最後の最後まですべては上からの命令だったとアイヒマンは主張しています。
何故、組織の中で人は間違った行動を取るのか。
何故、人は間違いを起こしたときに責任を取らないのか。
人の本質を考えるときに読んで起きたい一冊です。
何を読むべきか考えさせる本
★★★★★
第二次世界大戦中に反戦ビラを撒いたことにより断頭台に送られたゾフィー・ショルの「白バラ」尋問調書を読んでいたので、対極に位置すると思われるアイヒマンの調書を読んでみた。
ゾフィーのそれは尋問による調書だが、アイヒマン調書は雑談形式で行われた尋問を録音し、それを起こし、本人に校正をされて完成されている。更に時系列に並べ替えられている。
故に生々しさが伝わる。アイヒマンが組織の一歯車として動いたのか、意志を持って動いたのか、結局のところ、絶対的な証拠は出てこなかった。
それよりも自分の知識の無さの方が大きく、これから幾つもの関連書籍を読まなくては本書を理解できないことが判った。
本書の注釈まで読むと、ナチ党の中枢メンバーがバチカンの手配で国外に逃亡し、それをイスラエルのモサドが他国で誘拐したり、使えそうな人物を東西で分け合って、冷戦下で活用したようです。
軍人とは何かを問う一冊と捉えました。
アイヒマンを落とす過程
★★★★★
アイヒマンを取り調べたイスラエル警察大尉アヴネール・レスはベルリン生まれのユダヤ人であり、彼の父は第一次大戦時ドイツ軍に志願して第一級鉄十字章を受章し、いつも誇りにしていたとのことである。(ヒトラーもまた第一次大戦時に第一級鉄十字章を得、総統となってからも常にその勲章を佩用し続け、終生大事にしていたことは有名) 良きユダヤ人であり、良きドイツ人であった父はただユダヤ人であるということだけで祖国ドイツに裏切られ、強制収容所で殺されることになる。そんなレス大尉に取り調べ中のある時、アイヒマンがレスの家族について尋ねたので、父親が1943年1月にベルリンからの最後の移送によって収容所に送られたと答えるとアイヒマンは目を見開いて「いや、それはとんでもないことだ、大尉殿、実にひどいことだ!」と叫んだとのこと。自らの為した行為に対するアイヒマンの鈍感さ、無責任さを如実に物語っているエピソードと言える。
尋問に際して質問の中で犯罪の事実を常に入れ替えて、アイヒマンが混乱に陥って矛盾を露呈するのを待つ作戦を取りながらアイヒマンを落としていく過程がよく分かり、二人のやり取りを追っている内にあっと言う間に読了してしまった。
アイヒマンについてはアルゼンチンでの誘拐作戦を題材にした「ナチ・ハンター/アイヒマンを追え」やヴァンゼー会議を取り上げた「謀議」という映画があり、これらを観ればアイヒマンという人物をある程度は知ることができるが、この本を読めば彼の生い立ち、職歴、ナチスとの邂逅、親衛隊でどの様にしてユダヤ人問題と関わるようになっていったのか、といった細かい点まで知ることができます。
趣は違いますが、ドイツの大物戦犯・証人達を聴取したアメリカの精神分析医が書いた「ニュルンベルク・インタビュー」(上下巻)もお勧めです。