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人間の暗闇―ナチ絶滅収容所長との対話

価格: ¥4,410
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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自分には自信がない ★★★★★
前三者の感想に付け加えることは殆どない。全て同感だからだ。ただ、前の方も言われているように「自分だったらどうか?」という自問がどうしても残ってしまう。もし自分がシュタングルだったら?もし自分が上官の命令を受け反抗すれば自分も強制収容所に送られる可能性があるという状況に置かれたら?、それでも人道の正義のために自己を犠牲にする精神的肉体的勇気を把持できるか?、と問われたら、私には「Yes!」と答えられる自信がない。己の良心を敢えて眠らせて「上司の命令を遂行しただけだ」と言い張る自分をチラチラ想起しながら私はこの本を読んでいた。そういう私はこの本から何を学べばいいのだろう。当事者意識を持って読むとき、この本は恐ろしい問いを突きつけてくる。宗教的迫害に殉教した聖人たちを思う時、自己の中の良心を宗教的な信念にまで高めなければ、この恐ろしい問に答えられないような気がする。しかし、肉体的な苦痛に著しい恐怖感を感じる弱い自分にそんなことが可能なのだろうか。私には自信がない。
ホロコースト関連で必読の書です ★★★★★
多くのホロコースト関連の記録・ドキュメントの中で、特に「生き残り」当事者以外の人間が著したものの中で、最も読むべき内容の本でした。
トレブリンカ、ソビボールは、強制収容所ではなく、虐殺だけを目的とした絶滅収容所です。
この本とあわせて、トレブリンカ等で行われた事実のアウトラインを他の本で知っておくと、よりその現場がどんなものであったかがわかります。この本では、絶滅の事実は前提知識として扱われており、そのための詳細な説明はありません。

これは、読み進めるのがとても怖く苦しかったです。
シュタングルはクルト・フランツのような性格異常者でも、ルドルフ・ヘスのような官僚バカでもなく、どうも知的性格的に、きっと周りにいたら快適な人間や同僚に違いない、という気がしてきました。
そのような人間がここまでの役割を果たしてしまうということは、自分だったらどうだったのか。そして人間というものは…。
この本を著したギッタ・セレニーの苦しみと勇気、そしてインタビューの対象者への深い洞察と理解に感謝したいです。
最後の、シュタングルの妻が出した二つの答え、そしてセレニーが序文で言う「人間が根ざすべき自由」は心を離れません。悲しいけれども、素晴らしい必読の書です。
人を制御するためには ★★★★★


 何故、ユダヤ人をいきなり殺さずに、家畜用の電車に乗せて長い時間旅をさせたのでしょうか。
 家に押し入っていきなり殺しても殺すことは出来たはずなのに、わざわざ旅をさせて、収容所を作ったのか。
 人間が人間を殺すことのいいわけを見つけるためだったのか。
 ユダヤ人に精神的な死を伝えるために行ったのでしょうか。
 社会の道徳は、一人一人の人間が責任のある決断をしないと出来ないことを教えてくれます。
 たった一人の決断で人を大量に死に至らしめる事を教えてくれる一冊です。
 自分自身の良心、心を育てるために是非読まれることをお勧めします。
誰に中にもある闇 ★★★★★
読んだあと、その本の世界から抜け出せない時がある。この本を読み終えたのは、半日前だがまだ抜け出せないでいる。考えがまとまらにのだ。その考えとは「普通の人間に大量殺戮ができるか」という問題だ。
この本はナチスの絶滅収容所の所長を二ヶ所の所長を務めたシュタングルという男の七十時間以上のインタビューをまとめたものだ。
絶滅収容所はアウシュビッツに代表される強制収用所よりは知られていない、なぜなら絶滅収容所からの生還した人間が、ほとんどおらず証言が少ないからだ。あたりまえである絶滅収容所はただ殺戮だけが目的だからだ。。ユダヤ人は列車で収容所に連れてこれれ、頭を剃られ、すぐにガス室で殺される。生き残りがいるはずがない。
この本の主人公であるシュタングルは、その収容所の所長を2箇所も勤め、そこで90万人以上のユダヤ人が死んでいる。
この男が生まれつき強暴であったり、性格異常者であれば、まだわかる。しかしシュンダルグは妻と娘を愛する真面目な男である。そんな男がなぜ絶滅収容所の所長を勤めることができたのか、死んでいくユダヤ人をどう見て、何を考えていたのか。という問題に対し、シュタングル本人だけでなく、彼の妻、元同僚、奇跡的に生還したユダヤ人のインタビューも交えて、多元的に描かいている。
ぜひ読んで見てほしい、読めば必ず
「人間とはどれだけ悪なのか」という問題を考えさせられる。
そして「自分自身ならば、どうしたか」という問題を。
答えはなかなか出ないのだが……………………