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ポストモダン経営学

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文眞堂
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「組織は自らが形成したイナクトされた環境に形成される」と唱えるカール・ワイクを読む前に ★★★★★
 組織認識論を相手にすると、認識、解釈、理解、先入見、それらの対象である環境、状況、事実など、多くの概念と向き合うことになる。経営学や組織論という研究の立場からこれらを根源的に掘り起こすことで、新たな意義を見出せないこともない。しかし、他の学問分野の長い間に積み上げられた研究の力を借りねばならないことを理解しておくこともまたオープンな構えである。このような協調的な観点を理解すれば、イナクトメントを論ずる著者の「認識」意識は誤解を招くというような批判があるが、本書の目的からすれば、重箱の隅のような気もする。
 著者は、経営史を行為、意思決定、認識の時代にそれぞれ、テイラー、サイモン、そしてマーチのゴミ箱モデルを挟んで、ワイクを議論する。本書の特徴である「あいまいさ」については、抜粋になるが、自分あるいは組織のイナクトされた環境に関して懐疑的で、他の行為や解釈の存在とその妥当性も同等なものと認める寛容さが必要だ(p.201)ということである。あいまいだから組織は正常、これらについて更には本書をごらん下され。

 私が面白いと見た議論は、ワイクの組織認識の4つのモードの紹介と著者の述べる異常組織との関係である。具体的にいうとは、環境とのかかわりの消極的/積極的、環境についての仮定が分析不可能/分析可能の観点から各象限を(1)気ままな観察型、(2)まじめな観察型、(3)発明型、(4)発見型とした分類と、牢固とした常識が支配する「セレモニー型異常組織」と凡百の互解が氾濫する「フェスティバル型異常組織」との関係である。これらは、更に「おもしろい説や解釈」に発展の余地がありそう。

 更に付け加えると、本書はことわざ、テレビドキュメンタリー、映画なども数々引用されており、入りやすい。段々と、坂道にはなるが楽しみはちゃんと入れてある。参考文献あり、索引あり、目次詳しい、ひもなし。