【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:野口悠紀雄/著 出版社名:東洋経済新報社 発行年月:2009年02月 関連キーワード:キンユウ キキ ノ ホンシツ ワ ナニカ フアイナンス リロン カラ ノ アプロ-チ きんゆう きき の ほんしつ わ なにか ふあいなんす りろん から の あぷろ-ち、 トウヨウ ケイザイ シンポウシヤ トウヨウケイザイシンポウシヤ 5214 とうよう けいざい しんぽうしや とうようけいざいしんぽうしや 5214、 トウヨウ ケイザイ シンポウシヤ トウヨウケイザイシンポウシヤ 5214 とうよう けいざい しんぽうしや とうようけいざいしんぽうしや 5214 証券化やCDSは悪魔の発明か?最先端の金融を理解するためのファイナンス理論の基礎。 ファイナンス理論は悪魔の発明か?第1部 金融・証券投資の大成功と大失敗(世界を揺るがすアメリカ金融危機バフェットはなぜ大金持ちになれたか? ほか)第2部 金融・証券投資の基礎理論(市場価
タイトルがおかしい 内容はファイナンス理論入門
★★★☆☆
内容は、今回の金融危機の本質を探ったというよりは、ファイナンス理論の入門書。サブプライム危機の内容と原因・背景・影響等を知りたいという読者は肩透かしを喰らうはず。
ファイナンスの入門書としては全体的に平易に書かれてある。日本の教科書には出てこないが最近の米国の教科書には出てくる確率的割引ファクター等もカバーされている。その他にも「あ、こういうことだったのか」と今更のように教えられる箇所が多く、MBA取得済みの読者でも得るところは多いだろう。
ただし、簡単な連立方程式で解けるなどといいながらその方程式を提示しないなど明らかに不親切な箇所もある(見せれば誰でもわかるのにね)。
また、P271以下シャープレシオの定義を誤って提示し、エセ専門家を非難しているが、これは著者の基本的な勘違いであり、訂正要だろう。
リーマンショック後も相変わらず
★★☆☆☆
リーマンショック後も相変わらず金融工学は正しく、その使い方に問題があっただけだと言っている。バッフェットは確率的な存在という意見には驚かざるを得ない。人間には数字で表せないもの、数学で予測できないものがあるということを誰かこの人に教えてあげてほしい。
金融工学は核エネルギーと同様、取扱は慎重にしなくては
★★★★☆
学問として進歩してきたのでブラックショールズみたいな難しい代数を使わずとも、図表を駆使して直観的に理解しうるまでに説明できるようになったとのこと。確かに初心者にはとても入りやすい本でした。いったい、従来の難しい代数を使ってその本質を理解してきた人たちは、この日本にどれくらいいたのでしょうか?この本を読んで改めて認識したのは、難しい言葉を使って難しいままに説明する人(してきた人)は、やはり、ことの本質がわかっていないのだろうということ。その手の輩に限って、ご自身のおつむの良さ(「自分は馬鹿な君たちとは違うんだよ」)をひけらかそうとするんでしょう。そんな態度の人たちをたくさんみてきました。
そこから進んで思ったのは、こうした難しい理論を現実の社会にあてはめようとすることの難しさです。確かに正しいのかもしれないけれども、それが社会にとって善なのかどうかはよくよく考えなければならない。理論の運用を間違ったり、理論が広く理解されないようなことは、それができるまでの間は、やはり規制をかけるべきであり、できそうもないのであれば、より安全安心な方策をとるのが社会にとって望ましいと。
著者は金融工学の正しさを力説されてます。確かにその通りだと思いますが、社会とのかかわりやあり方といった観点が全くなく、「これは正しいし、経済の進歩にものすごく役立つのだから、運用が間違ったって僕は悪くない。理解できないみんなや社会が悪いのだ」といったように聞こえます。比喩的にいえば、まるで原子力について「これは科学の進歩であり、エネルギーにとってものすごく役立つのだから、核開発されてスィッチが押されようと僕は悪くない。悪用するみんなや社会が悪いのだ」といってるようです。歴史的に原子力を開発してきた科学者がその存在の是非を深く自問自答してきた自省的な態度とは、かなり程遠いと言わざるを得ません。
大学で教養課程がないがしろにされて久しいですが、ある分野での理論を一生懸命学んで、その努力と理解できた自身の能力を鼻にかけて、他の学問分野や広い歴史的観点からの熟慮を失った学生がやがて世の中でオピニオンリーダーになることの恐ろしさを感じます。
しかし、もっと悲惨なのは、肝心な理論の理解すら果たしてできているのか。
この本の中で「数学もわからないのに金融工学を学びたいといって大学院に入ってくるひとが多数いる。嘆かわしい。」とありますが、著者はそのような学生に単位を与えて卒業させたのでしょうか。そうでないことを信じますが、もし、そうだとしたら大罪でしょう。
そのあたりを考えれば、「金融危機の本質は何か」というタイトルは、ズレています。
おそらく編集者あたりにいわれたのでしょう。「タイムリーな題名にしましょう。少々ずれてても誰も気にしませんヨ そのほうが売れますから」
どっかの金融商品みたいです。「他の商品といっしょにして格付けしちゃいましょう。少々混じっていても誰もわかりませんヨ そのほうが売れますから」
著書の内容自体はとてもわかりやすくなっています。
金融理論を正しく使えば金融危機は防げた。金融理論悪魔説を排する骨太理論書
★★★★☆
本書での一貫した立場として、金融危機の本質的原因は、金融工学、ファイナンス理論の知識を正しく使わなかったからであり、金融工学、ファイナンス理論を悪魔の学問、虚像だとする考え方をあまりに皮相的な見方として批判している。本書を読むと金融工学、ファイナンス理論は金儲けをするための学問ではなく、大損を回避する為の学問であることが、寧ろ基本的だということが分かってくる。このような本来の前提条件を無視し、金儲けや、投資の煽り、素人を騙すことに悪用した結果が今日的な状況を生んでしまったのだ。
よって本書は、金融工学、ファイナンス理論の正しい知識とその使い方についてを理論の基本的説明を行い、今後日本はどのようにして金融工学、ファイナンス理論の知見を企業の経営判断、財政経済政策、個人の資産運用など活用していくかについて述べている。本書の難易度水準としては、大学の経済学部の大方のレベルを若干超えていると思われる。そのため、経済学部で比較的一生懸命勉強した人、数学に拒否反応のない人などにお奨めできると思う。また根気があれば読み通すことはできよう。
本書の良い点を挙げるとせれば、
1)証券投資論の理論的解説書としても通用する
2)最初と最後は一般の経済書として読み物としても通用する
3)参考図書一覧が充実しているところだと思う。
本書は中長期的に遂行可能な経済政策、経営判断、資産運用の意思決定にかかわる様々なリスク管理手法を、金融工学的なアプローチを通して描いたものだ。その意味では単なる金融論の説明にとどまらず、より実践の場で本書の知識が知恵となって現れることが、野口教授の一番の願いではないのか。
表題以外は優れたファイナンス理論の入門書
★★★☆☆
この書にもし「ファイナンス理論入門」という表題が付いていたら5つ星の名著だと思う。東大工学部応用物理学科卒・Yale大学経済学博士(PhD)で両分野に造詣の深い筆者は、数学的正確さを以て本来複雑なファイナンス理論を(数学を要求せずに)判り易く解説している。数学が得意な読者には、もっと方程式を多用して貰った方が直裁だと思うほどだ。元々「週刊東洋経済」に2007年-08年に「説話ファイナンス理論」として連載した内容がもとになっているそうだ。金融商品の価格や、各種オプションなどリスク低減策の背景にある理論を平易に具体的に解説している。
それに商業主義的発想で「金融危機の本質は何か」という表題を付けたに違いない。この「何か」に直接答えている部分は第1章の9頁だけである。書店で立ち読みをしてから買うのなら問題ないが、Amazonで購入する場合には期待との乖離が起こる可能性が高いので、敢えて3つ星とした。
ファイナンス理論入門の他に筆者が本書で強調するのは、
1.ファイナンス理論で最適化以上の金儲けは出来ない。金儲けの学問のように言うのは、単なる誤解か、悪意の曲学阿世である。
2.ファイナンス理論は、経済学と数学から成るために両方を踏まえて充分な理解を持つ人が少なく、従って誤解され易い。
という点だと感じた。心しよう。