ビール缶の飲み口が広くなる!?
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全国のビール大好きに朗報です!!
もしかしたら缶ビールの飲み口部分が大きく広くなるかもしれない。
こうなるとビールをグビグビっと飲めておいしいらしい。
今のはチョビチョビとしか出てこなくてジョッキで飲むようにはいかない。
でも岡野工業が何度も試行錯誤の末やっと試作品ができたそうです。
詳しくは本書を読めば分かります。読め!!
いやはや、岡野さん、スゴイ!!
早めに量産化に成功させて下さいね。
日本人はもっと誇りをもて、こんな人がいてくれることに。
日本は技術でここまで豊かになれた。
職人さんを尊敬せよ。
嗚呼、日本人に生まれてよかった。
ありがとう、町工場のみなさん。
読後、こんな風に思ってしまいました。
生き方を教えられたように思います。
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話し言葉を文章にしたような文体で、読みやすかったです。実際に、お話を聞いているようです。
痛くない注射針。先日TVで実物を見ました。見て、すごさが分かりました。想像以上の小ささ、細さでした。あれがどうして創れたのか、不思議でなりません。技術だけではありません。本書を読むと、その思想の部分に着目させられます。
読んでいて、岡野氏の発想法をまねしたいと思いました。誰でもできることはしないのですから、自分を追い込んでいけます。アイデアをいくつもの分野に関連させたり、数年先の姿を想像したりすることで発想が広がっていくことも分かりました。
本物を知っている強みを感じました。一流のもの、本物を知っているので、心のどこかに余裕を持っていられますし、自分がそこに到達するまでをイメージしているように思います。
コミュニケーションの力の大切さを教えられました。社長として社員を守り、会社を守るための対人関係においての工夫を読み取りました。いじめが話題になっている小中学生の人間関係にもヒントになると思いました。大きな組織の中で、組織に守られて生活していては意識できないことですが、一人で仕事をしていくためには強さが必要なのだと思いました。
叡智の書
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読後、時間を経て印象が変わってきました。
不純物のないシンプルな話し言葉なので、折に触れて想起しやすく、考えさせてくれるのです。例えば「俺は同時にもういろんなほかのものを考えている」は、ドラッカーさんの「一時に一つのことを行うことによってのみ、速く仕事ができる(経営者の条件)」説と対立するのでは? ドラッカー説が正しいと思っていたのですが、思い当たる節もあり岡野説で考え直しました。われわれが難易度の高いAの仕事だけをやり続けると、アイディアも涸れ効率が落ちてきます。もし並行的にB,Cもやれば、フレッシュになるし、B、CからAへのヒントやより高い視点を見つけたりする複合効果もあります。エグゼクティブにはドラッカー説、日々格闘する人(われわれ)には岡野説が適しているかな…と。
また、「30歳のときから10年間、6時から翌日の朝2時まで働いた」からは、猛烈な仕事量が、やがて卓越した仕事の質を生むのだろう。自分の怠惰を恥じたり・・・。
会得するのに膨大な時間と努力を要したであろう叡智が語られ散在しています。読者は宝探しのように、時間をかけて自分の宝を見つけるのではないでしょうか。
昔は、大人たちが次世代の子供たちに手を差し伸べ、人情の機微を学べる機会を作っていたことも随所に語られています。やくざのお兄さんが、銭湯で子供たちに「蜘蛛の糸」の彫物には、皆が助け合うことの大切さが込められているのだと聴かせる場面など爽快かつ感動的です。「凄い国だった日本は」と感じます。同時に、心の環境整備も重要な課題だと気づかされます。
「ラッパを吹く」にはなるほどと手を打ちました!
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ゼロを十というのはウソだけれど、一を百に膨らませるのは「ラッパ」でウソじゃないんだ。これには「なるほど!」となんども手を打ちました。仕事でも友人でも言葉で説明したり、説得したりするのが不得意と思っている私には、岡野式説得術はなんとも痛快でした。
確かにテレビのコメントでもなんでも、うまい比喩をつかってズバリ説明しなければ耳に入ってこないもの。ただ、真面目なだけのコメントではなかなか聴いてもらえません。
岡野さんのこの新刊を読んで、「相手が思わず聴いてしまうような説明力を身につけなければいけない」と気づきました。
仕事版の猪木かも☆叱られたい!
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「痛くない注射針」の人としてテレビで紹介されてたのを見ました。穴の直径が0.2?ミリの針。金属を丸めて作るという発想をしたのは岡野さんが初めてだったそうです。なるほどタイトル通り、発想力を鍛えるヒントが、全50項目にわたって書かれています。多分取材でしょうが、文章も読みやすいです。職人の話を50項目にまとめ、テーマを技術そのものではなく「発想」としたことによって、いわゆる技術屋以外の人も買えるわけで、編集者の力量を感じます。「俺は相手がどんな大企業でも、企業名では仕事は請けない。担当者が信用できる人物かどうかだ」と本文にありますが、きっとこの編集者も見込みがあると思われたのでは?本には編集者の「へ」の字も出てきませんが、思うに、この編集者がいたからこそこういう本が存在し、駆け出し営業担当である私が興味を持ったわけで、まずは編集者に拍手を送りたいです。内容で印象的だったのは、「俺は図面は引かない。アドリブで仕事していく」という点。取材の日も金属を削っていたそうですが、あったのはポケットの中の、小さなメモだけ(写真のってます。ホントにそのへんのノートのきれっぱし)。ここからジャズのアドリブのノリでああでもないこうでもない、とアイデアを出しながら改良していくそうです。私などは「脱マニュアル」と言いながら、そのためのマニュアルを欲しがっている(恥)。怖がらずに、楽しんで、もっと自由に考えればいいんだと教わりました。一度、こんないいキャラで、しかも世界一の腕を持った方に、気合入れてもらいたいと思いました!いい本でした。