スウェーデンの暗黒面
★★★☆☆
ネガティブなスウェーデン本。これはこれで読む価値アリ。スウェーデン人の意外な気質、福祉国家の問題点などがわかり
短絡的な楽園論に陥らないように読むべき必読書だろう。しかし私は今の日本は財政再建型北欧型福祉国家にしないと持たないかと思うが。
やっぱり憧れてよし
★★★☆☆
スウェーデンに何を求めるかということなんですが。 日本と比べて個人を守る制度が充実していて、格差と絶対的貧困が少ないということなので。 人間の集まりなので理想ではないけど実は日本より地獄だった…なんてセンセーショナルなことではありません。 北欧通の筆者さんがスウェーデンのがっかりするところを並べている内容。 私としてはやはり日本よりセーフティーネットが分厚いと思う。 日本の方が簡単に転落してしまう。 その分格差が大きいです。
ある意味安心しました。
★★★★☆
理想的な福祉国家として何かと話題にされるスウェーデンですが、他国と同様、様々な
問題を抱え苦悩する普通の国なのだということがわかり、なんだかほっとしました。
もちろん、これだけがスウェーデンの全てではないでしょうが、ほとんど知らなかった
スウェーデンについて、一つの見方を提示してもらえたことはたいへんあり難いことです。
本書は散文的なもので、学術的な分析の本ではありませんが、敢えて言うなら文学的な
観点からスウェーデンという国を捉えたものとも思われ、それ故に清濁併せ呑んだ形で
の、ある程度奥行きのあるスウェーデン像が掴めるような気がしました。
表題のように、相当に厳しい闘いの中で形成された福祉国家であることがわかり、日本
も安易な模倣ではなく、国民性を含む文化と歴史に基づいた独自の福祉制度を、自分た
ちで作っていくことの必要性を改めて認識させる、よい刺激になる本だと思います。
保守から見た福祉国家
★★★★★
著者は北欧の大使館員であり、北欧諸国に対する思い入れは一際強い
だろうが、文章から著者が本質的に保守論者だと分かる。そのため
過剰なスウェーデン賞賛にも批判にも傾かず、中立の立場から同国
を見ている。
まず第一章で制度や行動パターンから極端な合理主義者であるスウェーデン
人の国民性を明らかにし、その後はそれを踏まえて個別の問題を
見ている。話題は福祉、中立政策、王室、ノーベル賞、犯罪、女性
問題など多岐に渡っている。
その多くは日本の抱える問題や将来立ちふさがるであろう問題と驚くほど
一致する。日本はこれらの政策の成功と失敗の両方を見据えた上で、
問題に当たらなけてばならない。
「福祉」と「中立」
★★★★☆
この本は日本で高く評価されることが多い「福祉国家」スウェーデンの実情を紹介した本です。
福祉に関してはそもそも税率の違いがありますが、福祉予算が政府予算を圧迫するなど日本と同じような問題があるようです。
中立に関しては日本では中立と言えばどの国とも仲良くする、というイメージですが、実際の中立政策はどの国とも仲良くしない政策である、ということが分かり興味深いと思います。時には冷酷に裏切り、時には狡猾に欺く、というスウェーデンの姿は日本でのイメージとはかなり違うのではないでしょうか。
そのほかにも、スウェーデンの個人主義や自然賛美などが理解でき、スウェーデンの実情を知りたい人には参考になる本だと思います。