白山信仰を知るなら
★★★☆☆
最近、スピリチュアルな人達も、白山菊理姫について述べているが、
歴史的な白山信仰の経緯は理解していない。
白山信仰ついて、大正時代から取り組んできたのが菊池山哉だ。
菊池山哉が指摘した別所・東光寺・薬師堂は確かにがっている。
自分も織畑別所の薬師堂に行き確認できた。
自分の生れた土地が、中世の雑色村の範囲だったり、
今住んでいる近くにも別所の地名が残っていたり、
目を向ければ、菊池山哉の興味を示した場所があるのは不思議だ。
菊池山哉の面目は、詳細なフィールドワークにある。
現代では失われた伝承が菊池により記録された。
この業績は高い。
一転、日本古代史の原住民に想定した天ノ朝や日高民族・ミコト民族・
カミ民族など、神話の神々を古代の人間だとするのは、
古くはイエズス会から新井白石、戦後の原田常治と同じ過ちを犯す。
有名な登呂遺跡を平安時代の物と断じた辺り、古代史への認識の限界も感じる。
三内丸山遺跡など、菊池山哉の古代史の想定にはなかったろう。