2「ADDRESS」はbirdという題名からこちらへ変わったそうで、それを知ると題名と詞との行間にある趣を感じられます。またこういう詞を歌う曲調が非常に自然体である点や、1や8と並び3分台の長さである点も心地よさのミソですかね。3「ビー玉望遠鏡」はその和の響きの割りに、オリジナル・ラヴのようなソウルテイストな曲調が敷かれているのが面白く、ホーンが入るととてもクールです。

まっすぐ歌う4「僕らは静かに消えていく」の透明なファルセットはこの主題をピュアに表すよう。若い頃の想い出をみた人や、今まさにこの想いに胸を突かれる人をたくさん生む歌でしょう。“君と僕が過ごした景色が滲むように遠ざかってゆく”は心を掴まれます。でもそれ以上に“めまぐるしく変わる街の中で 僕らは静かに消えていく”ということばはぐっときました。この儚さですよね恋愛におけるわびさびは。

バンドネオンの7「メヌエット」から清廉な8「8月のクリスマス」への流れが好きです。8はイントロなしで始まり“ありふれた”から流れ出すメロディラインがやはり秀逸。ギターは雪が舞い散るほどの素朴なタッチです。新録になって、歌声はシングルでの玲瓏な響きから温かみに変わったように聞こえます。曲想の儚さはそのままに。この8と4の失恋曲は今作の求心性です。

一方、静かなるブルースで唸らせるのは9「十六夜」の妖しさ。月明かりに浮かぶ闇に内なる遠さを詠います。この曲ではコンポジションからもリリックからも黒人霊歌から受け継がれる魂を感じざるをえません。今作で最も骨太で静かなる一撃です。その後10「道化者のチャーリー」の物語曲もいいですね。そして11「晴男」。阪神というワードについ驚きます。私は新潟生れで阪神がすきなんですが、それもありだとこの歌は言います。緩やかなレゲエです。12「バス停」と並ぶことで、いい主題のバトンが繋がっていました。

前作から３年というインターバルのせいか、シングル曲が多めですがしっかり溶け込んでます。
そして何より楽曲が高水準！全ての曲がシングルに負けず劣らず。
中には彼のかなり初期のデモからのという曲もあるのでビックリ。

あまり山崎氏を聞かない友人らにすすめたところ、好評だったので
初、山崎。　という人にも良いのではないのでしょうか。
ファンであってもなくても十分に聞けるアルバム。傑作です。三年は決して浅くなかった。

オリジナル・アルバムとしては、前作から3年を置いての発売となっているこのアルバム♪
個人的に、多望でしたわ♪
私の勝手な印象ですが、活動はされているものの、なんだか，ご本人に やりきってしまったような 疲れてしまったような感が漂っていたように感じた，この数年。
この後、どんな風に創って行くのだろう，どんな風に活動してゆくのだろと、ちょっと心配にも似た心持で待っていた，オリジナル･アルバムです。
発売時、アルバム名：ＡＤＤＲＥＳＳ が 妙に意味有り気に聞こえてきましたわ♪
試聴して、即 購入したこのアルバム♪
あいもかわらず、ことばの遣いは絶妙♪
そして、そこに聴こえてきたのは、リズムの強調と 山崎氏の独特の歌声・歌い込みなれど、日差しを感じるクリアなものだった♪
その歌声は、今までのアルバムに無いほどにクリア♪
今まで感じた，静寂の中にある音色や歌の響き。 このアルバムでは 澄んだ青空も似合う響きの印象を全体に感じました♪
じっくりじっくりと集中度高く、深−−く，思いを重めに････と、そんな歌唱の印象強く感じていた 今まで耳にしたオリジナル・アルバム。
このアルバムでは、そういったものを， さらり と入れ込めて歌う印象を持つのです♪
どちらの歌声も素敵ですが、なんだか今回のアルバムには、ちょっと兄貴になった山崎氏を感じます♪
アルバム制作の環境のせい？それとも、何か転機がありましたか？
そんなことも、ちょっぴり想像しつつ♪
今までに感じなかった，朝も澄んだ青空も似合う 山崎氏のアルバムを、まだまだ早い朝の通勤中に聴いてみるのもいいものですよ♪
このアルバム。次への飛躍の為のステップとなるアルバムとなりそうな予感です♪

このアルバムのツアーのライブに行く前に、
あえてアルバムを買わずに行ったんですが、
初めて聴く曲もすっとなじんでくる感じで
良かったです。

その後、このアルバムを買って部屋で聴いていると
あらためてそのライブの臨場感を思い出し
楽しんでいます。

ライブへは毎回行きますが、
今回のアルバムは、特に1度聴いただけでも
耳になじむ曲が多い気がします。

シングルカットされた曲の寄せ集め？という懸念もあったが、まさかここまでアルバムとしてまとまったものになっているとは！

もちろんシングル曲が多いということは一曲一曲のレベルの高さはこれまでのアルバムでも一二を争うもの。すごいです。期待を裏切らない男です。

シングル陣の中でちょっと浮いた感じもあった「ビー玉望遠鏡」も、アルバムの中で聴くとシングル以上にいい曲に聞こえてびっくり。
後半の曲は初期の作風を連想させるものも多く、なつかしい感じもしました。
シングルになってない作品も一切手抜きなし。「NAVEL」「陽気なゴースト」「道化者のチャーリー」などは山崎らしさ全開の佳作。

初期の勢いある作風、最近の良質なメロディーがベストバランスで配合された傑作です。買いです。