キュートな赤メガネとジャージがトレードマークのキーボード弾き語り女性ミュージシャン「おく　はなこ」。
このアルバムは奥華子がインディーズ時代に発表したミニアルバム「Vol.1〜4」から
ファンの人気投票で12曲選ばれ、さらに本人が思い入れのある2曲（片想い、境界線）を追加したものです。

奥華子の原点であり、完成型でもある、「ウタ＋ケンバン」のみの、とてもシンプルなアルバムです。
もともと、路上ライブでこのスタイルを続け、ファンを獲得していったミュージシャンで、メジャーデビュー後のライブでも、たびたびこの中のアルバムからも演奏されていることから、この曲たちのクオリティの高さが伺い知れます。

基本は女の子目線の恋愛ソングが多いですが、幅広い世代にも共感できる曲「境界線」「伝えたい言葉」「自由のカメ」「笑って笑って」や、男目線の曲「雲よりも遠く」「そんな気がした」もあります。
おすすめの曲は、自分は「楔−くさび」「境界線」「そんな気がした」を選びます。
「楔」という字の読み方をこれで初めて知った方も多いのではないでしょうか（笑）

劇場版アニメーション「時をかける少女」や、シングルＣＤやＣＭソングで気になってこのアルバムを聴いた方は、最初はずいぶん暗い感じだなと思うかもしれませんが、聴き進むにつれ、演奏は思いのほか力強く、また透き通った歌声とそのキーボードの調べで、心が幸せな気持ちに満たされると思います。
とはいえ、中には結構キツイ内容の詞もありますが、あまりキツさを感じさせないのは、奥華子の声質のなせる業でしょうか？

誰かが奥華子を「白いごはん」と表現していましたが、つまりとてもシンプルで、毎日食べても（聴いても）飽きないという、とても的を得た表現かもしれません。
その後のアルバムは徐々におかず（アレンジ）が増えていきますが、それがＪ−ＰＯＰの宿命でしょうか？
それはそれでいいと思いますが、でもこの原点は忘れないでほしいです。

自分としてはTIME NOTEよりはこっちのアルバムの方が好きですね。TIME NOTEはメジャーなだけあってポップ調な感じが多いけど、こちらはそれがなくて、なんだかものすごくストレートに響く。最高に癒しのアルバム。これはぜひ聴くべきだと思う。

クオリティとか音楽の専門的なことは分かりませんが聞いてみて
これが一番だと感じた。というのも他2枚の各曲はアルバムの彩りとしては
よくできてると思うけど強いものが感じられない。でもこれは奥さん自身の
伝えたいこととか強く感じられるし、初期の作品にありがちな荒削りともとれるけど
逆にそれが他2枚にない魅力だと思います。

聴いてみてください。人にやさしくなれるアルバムです。実際、私は彼女と共に、奥華子さんを初めて聴きました。どこかノスタルジックで、声とキーボードの旋律は、忘れていた「あの頃」に戻れるでしょう。そして愛しいあの人が、さらに愛しき存在になっていることでしょう。こんな恥ずかしい言葉を照れもなく言える程、奥華子さんの歌は私に温かさをくれました。仕事に疲れた時、恋に疲れた時、奥華子さんに触れてみてはいかがでしょうか?きっとあなたの心も、やさしく包んでくれるはずだと私は思います。
本来、星5つにしたいところ、星4つにさせていただきました。それは静の中にも存在する、「衝撃」が薄かったからです。作品の流れが単調になってしまっていて、心の震動はごくわずかだという部分は否めません。このアルバムはあくまで癒しの存在で、清涼剤的な役割なのです。

華子さんの優しさを、この1枚に感じました。
華子さんの歌声とキーボードの音が重なり合って、身構える事も無く、とてもリラックスした状態で14曲、【小さな星】から【笑って笑って】までを聴くことが出来ました。
14曲すべてが、どこかで聴いた事のある様な、懐かしさを感じるのは、やはり華子さんが積極的に路上ライブを行っているからだと思う。
何かを追いかけている人や何かを諦めかけている人に是非一度聴いて欲しいです。