事例集としては面白いんだけど
★★☆☆☆
タイトルで選んで、僕の期待と内容が違ったので、少々がっかりした本。
バズ・マーケティングとは、消費者の口コミ(バズ)を利用して、従来のマーケティングでは考えられない劇的な効果を発揮するマーケティングのこと。
本書では、著者が仕掛けた、アメリカのとある田舎町の地名を一年間変えてしまう、というキャンペーンの自慢話から始まって、ブリトニー・スピアーズがなぜ成功したのか、アップルがなぜ成功したのか、など、バズを利用した幾つかのキャンペーンの事例が紹介される。まあこれはこれで面白い。
ただ、本書の結論は、言ってしまえば、バズマーケティングの成功には”ビッグアイデア”が必要だと言う事に尽きる。そんなことは言われなくても、広告に携わる人間なら誰しも身に沁みて分かっている事である。ビッグアイデアと科学的なメソッドが両輪の輪となって、はじめて成り立つ手法だと思うのに、後者の説明が全然足りない。
僕が知りたかったのは、バズ(WOM)がどう形成され、どうひろがっていくのか、テクノロジーをどう活用するのか、メディアはどう絡んでどう機能して行くのかなどの定量的な分析だ。科学的な理論がともなってはじめてマーケティングの一つのカテゴリーとして成り立ちうるものだと思う。それを本書で語られているような、個別のキャンペーンの定性的な分析だけでは、さらっと読み流してしまって、全然もの足りないのである。タイトルは”バズ・マーケティング成功事例集”ぐらいにしておいたほうがよさそうだ。
僕の期待が大きすぎたのが、がっかりの原因かな。なにも考えずにニュートラルな視点で読めば結構面白い本なのかも知れない。
古今のバズ・ケースを取り上げており、テクニックというよりはマインドを提示する書。
★★★★☆
企画の作り手と受け手双方が情報の発信者となり増幅し合うモデルを、マーケティングの要素として積極的に仕掛けた成功者によるケース紹介。Web2.0的 CGMの事例が並んでるかと思いきや、古今のバズ・ケースを取り上げており、テクニックというよりはマインドを提示する書だと読んだ。今となっては古臭いケースも多々載せられているものの、その精神を学ぶのは価値があると思う。
読みやすいが、訳が正確かどうか?
★★★☆☆
バズ・マーケティングのCEOが書いているのだから、
自社やそれまで手がけた実例が中心になっている。
そのためマーケティング論というよりは、
ハウツーものに近いと思う。
それよりも気になったのが翻訳。
海外のマーケティング関連書は小説と違って
理論と正確さ、読みやすさとかなり困難な作業になる。
ただ、この書の場合読みやすさをよくある
「金持ち父さん、貧乏父さん」的な、薄い内容になっているのが
気になる。もう少し言葉を選ぶ必要があるのでは。
読む価値はあまりない
★☆☆☆☆
バズマーケティングについて論理的に語ってくれると思いきや、筆者の自慢話をダラダラ書いただけでとてもわかりにくく、読む価値の低い本でした。
例えば、バズの通貨という言葉が出てきます。この言葉、意味不明なのですが突然出てきて、当然のように使われていきます。意味を推測するしかなくわかりにくいです。
また、クチコミを生み出す秘訣のうち、秘訣2は一風変わったこと、秘訣3は突飛なこと、と筆者は言っていますが、この二つがどう違うのかよくわかりません。例としてこの部分について挙げましたが、全体的に輪郭がぼやけていてはっきりしません。
マスマーケティングよりも、クチコミのほうが素晴らしいとひたすら言ってますが、読む人はそんなことは分かりきってます。なぜクチコミのほうがいいのか論理的に説明してほしくて読んでいるのに、筆者の自慢話ばかりで閉口しました。
事例はおもしろかったです。ダラダラと複数の事例を読めました。
アイディアを盗め
★★★★☆
良書です。訳もよい。
★5つにしない理由はありませんが、当然ながら全て海外(アメリカ)での事例のため、日本での流用可能性という点で1つ引きました。
バズ・マーケティングの定義から始まり、ケースも豊富。大企業〜中小。製造〜ショウビジネスまで。ケースのカバー範囲はかなり広い。
読んでいるとアイディアが湧いてくるはずです。ただ著者によると、70のアイディアのうち、69はゴミのようなもの。この本を理解することで、当たる1つを見出せるヒントを得られるかもしれません。