優作よ、永遠なれ!
★★★★★
優作が実質主演を務めるこの大作、これまで30数年間、観る
ことがなかった。今回、デジタルリマスター版のDVDが発売
されたことを機に購入した。
角川映画だが、例えば「新幹線大爆破」に見られるような東映
的オールキャスト仕立ては古き時代の映画ファンを唸らせる。
三船や鶴田が脇へ回ることなど夢のよう。
ただしストーリーはと言うと、松本清張の「砂の器」のような
重厚さに欠ける。その点では「東映チック」な感じ。謎解きも
結構早めに解明され、ただひたすら、意外性のない終結へと向
かうばかり。刑事優作も、そりゃ太陽や大都会とは違うけれど、
何で「俺たちの勲章」のような黒革の上下なんか着ちゃうのか
と思ってしまう。
でも、やはり優作は優作。アメリカを舞台にしても全然似合っ
ているし、ハリウッド俳優と並んでも何の遜色もない。願わく
ばこの手の作品をもっと撮って欲しかったね。
余談だが、「ブラック・レイン」での、自らの死期を悟った優
作の、要所で見せる憂いある表情は、どの映像よりも鮮烈であ
った。
やはり我々の世代のスーパーヒーローは、この優作以外には考
えられないね。