下町の救世主
★★★★★
「上手くいくかどうかは技術だけやのうて、イメージができるかどうかやねん」
「工程や順序やダンドリや完成の絵が最初に頭にパッとイメージできるかどうか」
「イメージできた時点でほぼ80%ぐらいは完成したも同然なんや」
「どうやったらイメージできるようになるか……、それはそれまでの失敗の経験の積み重ねかな」
最新17巻で心に残ったセリフです。
そして17巻の解説がすごかった。著者のたなかじゅんさんは、機械を作っているシーンを製作過程を順を追ってみせるために、実際に機械を作るようにまずパーツをバラバラに描いて、それを順番に貼り込んで組み立てながら作っているのだそうです。
マンガに出てくる機械を実際に作って試してみてるんですね。
パソコン上でフォトショップのレイヤーを使ってやったり、時にはカッターと糊で紙の立体模型を作って、本当に動くかどうか確かめることもあるそうです。
「これは漫画を描いているという作業なのだろうか?」と疑問を感じることもあるとのこと。
スゴイ。その過程も本にしてくれないかなー。
恋愛ストーリーが絡めてあったり、青年誌らしくサービスカットがあったりもしますが、苦労して描かれた「モノづくり」シーンは毎回飽きません。まさに「オンリーワンの鉄工所マンガ」です。