1977年、女子高校生のシューヤウ(ジジ・リョン)は受験生のホークァン(金城武)とつきあうようになるが、そんな彼女を親友のチャンリー(カレン・モク)は複雑な想いで見つめていた。やがてシューヤウの恋は終わりを迎えるが、7年後、シューヤウとホークァンは日本で再会して恋の想いが再燃。しかし、ホークァンはすでにチャンリーと結婚していた……。
女優としても活躍するシルヴィア・チャン監督が、およそ20年にもおよぶ男女の三角関係を切なくもドラマティックに描出していくラブ・ストーリーの佳作。3人の人気スターの魅力もそれぞれ過不足なく描かれているが、特にカレン・モクが女性の繊細な心理を見事に醸し出しているのがいい。(的田也寸志)
深みがある
★★★★☆
映画の中で映画を製作していくような構成が洒落っ気があっていいですね。
時系列に工夫を凝らした演出がこれまた奏功していると感じます。
男女間の友情そして時間というものに思いが及びます。
紆余曲折フックが多くとてもドラマチックで結末まで興味が尽きません。
キャスト陣が素晴らしいのもこの作品を更なる高みに押し上げています。
金城武さんとジジ・リョンさんのカップルはとても初々しいシーンでした。
そしてジジ・リョンさんがめちゃめちゃ綺麗でナイス配役だったと思います。
ラストはなにか心に訴えるものを感じる深い味わいのある作品です。
女の追憶
★★★★☆
華やかな職業に就いた女とそうでない男が出てくる話は、周潤發の「過ぎゆく時の中で」にもあった。あれも「故事」は張艾嘉(&周潤發)だった。
本作の女の華やかな職業は映画製作&洋服のバイヤーだ。張艾嘉演ずる中年の映画監督シェリルは脚本家と恋愛映画の構想を練っている。その脚本中の人物が「小柔」(ジジ・リョン)と「浩君」(金城武)。「小柔」は監督自身がモデルだと後に分かる。二人は十代で出会って別れ、7年後東京で再会した。女の職業はバイヤー、男は東京の旅行社の社員だ。
東京で再会したときに男は結婚していた(女の親友と!)が、その後離婚して、「小柔」に“結婚して東京で暮らそう”と言う。
19才で東京に来て、石に齧り付いて生活の基盤を築いた男と、海外に出かけて仕事する拠点が香港にある女とは、惹かれ合う気持ちは昔のままでも、そう簡単には一緒に成れない。成れなかった。だからシェリルは自分の辿った(辿らなかった)道を映画で捜すのだろう。今のシェリルには愛する子供と穏やかそうな夫が居る。
そんな時、現実の「浩君」(男の名前は脚本中も現実も同じだった!)から連絡が入り、中年の「浩君」がスクリーンに顕れる。しかし、それは金城武ではなく、くすんだ感じのある別の役者が演じた。そのことが、現実の「浩君」とシェリルの頭の中の「浩君」(=金城武)との落差とでも言うものを感じさせる。「浩君」を選ばなかったことを哀感を持って辿り直すシェリルの心の中で、「浩君」は金城武の姿を取るのだなあと、なんだか、しんみり考えさせられた。
シルビア・チャン監督
★★★☆☆
女優としても監督としても大好きだけど…この作品はあまり好きではないです。アレ?的な部分が多過ぎるし不自然さも多くて…。シルビア・チャン監督の恋愛ものならコン・リー主演の『果てぬ想い』の方がずっといいです。ジジの母親が中華圏映画好きならご存知のエレイン・ジンというのが私にはツボでした。出演場面が少なくてもいつもいい演技を見せてくれます。
リアルなすれ違いに胸が痛む
★★★★☆
金城の役どころに感情移入してしまう。
(主役の女性の性格には、ナルシスティック過ぎて鼻白むところがあるが。)
再会し、遠回しに関係をやり直そうとする金城の言葉に、知ってか知らずか、その想いを受け止めず曖昧に話を逸らし続ける女。
そのシーン丸ごと、あまりに酷似している自分の経験/記憶とシンクロして胸が痛む。
交わりこそすれ、何度も何度もすれ違い、永遠にひとつになることが無い関係というのは確かにある。
彼女を想い、屋上で空の写真を撮るという形で表現された、静かな彼の姿も痛々しくていい。
あまり過激なラブシーンをしない金城にしては珍しい、激情に駆られたラブシーンは、ファンなら必見。エロさというより、一途なひたむきさを感じさせるのは、やはり彼ならではかもしれない。その後「お互いに激しく求め合ったあれは何だったのか?」と、いうモヤモヤした感じも、「実際はそういうものだよね。」と、嫌にリアルに受け止めているのは私だけだろうか。
彼の成長した姿を演じる役者が、そこまで作り上げたドラマを一気に白けたものにさせるのが残念。もっと素敵な男性になっていないと説得力ないでしょう。
泣かせるはずのラストでの彼のお辞儀の不自然さで、これまでのムードがぶち壊し。
(その後の映像-ちょっと「ニュー・シネマ・パラダイス」を連想させる-で挽回するけど、クライマックスなんだから、一度落とす理由はないでしょうが。)
とにかく、なんだかんだ言っても、自分の中のナルシスティックで自虐的な記憶(苦笑)を何度でも刺激され、金城の魅力が心に焼き付く一本。
偶然2回
★★★☆☆
先般、出張にいった時に泊まったホテルでテレビをつけたらこの映画がやってました。
実は3〜4年前も自宅でテレビをつけたらこの映画が流れ、ジジ・リョン(今初めて名前
を知りました)が好みの女性だったため、そのまま見た記憶があります。実生活からの
経験でも感じますが、永遠に側にいられるかどうかって、タイミングが大事だなと。
どんなに愛していても、年齢、大事にしている人(時期によっては恋人よりも大事に
しなければならない人)、人生の目標などがお互いに少しずれているだけで、ずっと
一緒にいるのって難しいです。
この映画に関していえば、シューヤウさんが金城武演じる男性にプロポーズされた時
なぜ日本に行かなかったのだろう?返事を延ばす訳が描かれてないし(仕事が一番とか、
親が大切とか、他に大切な恋人がいた等という描かれ方ではなかったです。)、何年も
愛し続ける魅力ある女性とは私は感じませんでした。
あと残念なのは金城武演じる男性の数年後の俳優(香港では有名な俳優かもしれませんが)。
金城武はもっと素敵な男になっているだろうことは簡単に想像できてしまう。であれば、
金城でなくもっと他の俳優を使うか、でなければもっと金城に似た感じの俳優を使うべき
だったかなと。
ただ、ラストは良かったです。本当にシューヤウのことを愛してたんだなこの人は、と感じます。
最近仕事中心で彼女をおざなりにしてる27〜30歳の男性に見てもらいたい。
人生、やっぱり愛する人と生活するのが一番。
金で女は買えるかもしれないけど愛は買えません。これ本当(不適切な文が入ってしまって
失礼しました)。