現代文学最高峰の底力!!
★★★★★
新潮社HPでピンチョンはこう評されている。
現代世界文学最高峰の作家
その意味を知るにはこの作品で分かる。
『重力の虹』は氏の最高傑作と言われ続けているが、M&Dもいやはや・・・
知識の泉のようにあらゆる事象についての知識をふんだんに含んだピンチョンの博識がいたるところに見れる。
難しい言葉がたくさん出てくるが、これが現代文学最高峰かと噛み締めてください。
トマス・ピンチョンが生きている間にノーベル賞を受賞することを願わずにはいられない。
一体どんなパフォーマンスをしてくれるのだろうか。
楽しみだ。
読んでみませんか。
★★★★★
ピンチョンの他の作品のいくつかは、途中で挫折した私ですが、この作品は最後までおもしろく一気に読めました。地理、歴史、天文学、宗教なんかに疎いから小難しそう、などと考えず、手にとって欲しい作品です。訳者が柴田元幸氏というのも、読みやすい理由だと思います。脇役一人一人までがユニークで個性が強く、一文一文がとても濃くておいしいので、ゆっくり噛み締めるように味わえます。古い時代に合わせて、いろんな楽しい漢字(費府=フィラデルフィア、とか)が文章にたくさん盛り込んであるのも、昨今の出版物によくある、平仮名ばかりやたら多い白っぽい文面に不満ありの、私のような人間には嬉しい限りでした。
時差ぼけ
★★★★☆
ジョンバースの「酔いどれ草仲買人」と語り口、地理、時代背景が似通っていて、あの世界を追体験するような印象を持った。ただし、こちらは物語がきちんと収束することなく、時間進行とともに、饒舌な挿話群が落ちの付くことなく重なっていき、ある種の迫力を持ち迫ってくる。だから、駆け足ではなくて、この主人公二人の旅に寄り添うような速度で読むことがおすすめ。関連地図が付いていれば、もっとよかったな。