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小説の技巧

価格: ¥2,592
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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小説の書き方を説く本ではない ★★☆☆☆
この本は小説を書くための技術を教える本というより、
英米文学の名編をもっと違った角度から楽しむために、
作家の独特のスタイルを紹介している本である。
少なくとも私に関する限り、
この本を読んでも小説をどう書けばいいのか分からなかった。
いろいろな文章があり、それらを比べたりするのは楽しいが、
それらをどう駆使するかは一言も書いていない。
しかも小説をごく短い部分(1−2ページ)だけ取り出しているため、
その技術一つマネできても、それをどう後につなぐのか全く習得できない。
よって他人の作品見て「すごいね」って感動できても、
それが全く自分の血肉にならないので、
小説の書き方を知りたい人は買っても失望する。
なんとなく書かれた文章なんてないんだなー ★★★★☆
小説をさまざまな側面に分解して、小説に用いられている技法、その効果について詳しく解説した本。
読みやすい。テンポが良い。面白い。
このようなわれわれが漠然と抱く感想の裏には、どのような技法が動いているのか。
これを読むと、ひとつの表現をとってみても、作者がいかに工夫を凝らしているか、いかに考え込んでいるのかがわかる。
やっぱり作家はすごいな。ここまでわれわれ読者のことを考えてくれているのか。感動。
なんとなく書いてあるように見える文章。しかし、なんとなく書かれた文章なんてないんだなー
いや、とても勉強になりました。やはり小説創作の舞台裏を覗くのは面白い。
小説には思っていたよりもさらに多くの要素が詰まっていた。小説の面白さを再発見した気がします。
あまり理解できなかったところもありましたが、今後はまた違った視点から物語を楽しむことが出来そうです。
楽しい文学講義 ★★★★★
某文芸誌に、作家を志す者に勧める著書リストがあって、
中でも、『小説の技巧』の評価は高かったと思います。
そして、もうひとつ、読むきっかけになったポイントは翻訳者です。
柴田元幸氏と斎藤兆史氏。
さすがにお二人の手による訳はすばらしく、
とても翻訳とは思えないほど自然な文章です。

内容はタイトルに示されるように、
小説のテクニックを解説したものです。
「書き出し」から始まって「結末」までの50の目次で構成されていますが、
特に初めから読まなくてはわからないということでもなく、
ぱらっとめくって好きなところから読み始めてもなんの不都合もありません。
各項目とも、初めにジェーン・オースティンやフィッツジェラルドなどによる名文があり、
後の部分で解説を行うという形をとっています。
解説といってもけして堅苦しいものではなく、
さまざまな例をあげてわかりやすく説明しています。

作家を志す方だけではなく、
英米文学に興味のある方にもお勧めです。
楽しくて且つ味わい深い名著 ★★★★★
本書を読んだのは97・8年頃だったと思いますが、最近になって読み直す機会があって、面白い本だなあと改めてつくづく感心したので、レビュー(批評)というより広く紹介したいという思いで投稿します。

小説に用いられる様々な技巧に関して論じている本書の、その目次の一部を先ず抜粋してみます。

01. 書き出し(オースティン他)
・・・
06. 視点(ヘンリー・ジェイムス)
・・・
17. テクストの中の読者(ローレンス・スターン)
・・・
20. 凝った文章(ナボコフ)
・・・
34. 信用できない語り手(カズオ・イシグロ)
・・・
46. メタ・フィクション(ジョン・バース)
・・・
50. 結末(オースティン他)

上記の如く全50章から為る本書の各章で、その各章冒頭に、章の目玉であり採り上げようとする小説的な各技巧のその「サンプル(訳文)」が載っています。モノによっては原文(英文)も付されます。上記抜粋した目次に続くカッコ内の名前は、技巧サンプルとして採り上げられた作品の作者たちです。それらサンプルに次いで、その「技巧」への著作者(ロッジ)の説明が続く構成となっています。

この章立てと構成が先ずは面白いです。技巧への説明も、各技巧の持つ意味・意義やその効果に対してユーモアを交えながら懇切に解説されます。更に巻末には、引用されている作品のリストが全て掲げられており、作品原書への読者の興味をいざなう仕組みになっています。

ひじょうに面白くて、且つ、面白いだけでなく有益な書物です。小説の(書き方もさることながら)読み方に大いなる指針を与えてくれます。文句なくお勧めできるホンです。
すばらしい本です。 ★★★★★
『小説の技巧』というタイトルは若干わかりにくいようですが、
いわゆる、小説の書き方入門、という類の本ではありません。

自身も小説家であるディヴィッド・ロッジが、数多くの英米小説(名著ぞろいです)から一部を抜粋しつつ、小説の演出技法を紹介していきます。

「書き出し」「名前」「時間の移動」「コミックノベル」「シュルレアリスム」…等々、
聞いただけでワクワクするような項目ぞろいです。

また、平易な言葉で書かれてはいますが、内容自体は結構深いところまで突くので、
じっくりと腰を据えて読まないと理解できないかもしれません(笑
しかし、気になった項目をパラパラ眺めるだけでも結構楽しく過ごせます。

もともとディヴィッド・ロッジが、丁寧で整合性のある物書きということもありますが、
この本に関しては、とても翻訳が良く、翻訳書とは思えない(日本人が書いたのでは?と疑うくらい)、綺麗な文章となっています。
うろ覚えですが翻訳者の一人、柴田元幸さんは東京大学で教授をされている方だったと思います。翻訳家としても著名で、堅実で綺麗な文章を書く方です。
翻訳者の努力も合わさって、この本は最高の一冊となっています。

この本は小説の手引き書ではありませんが、折り目正しい文章、面白い内容(形容する言葉がこれ以外思いつかないのが悔やまれます)は、
小説家を目指す人、あるいはそうでない人にも一読の価値ありです。