量が多く、簡単にトヨタ生産方式を知りたい人には不向きでしょう。
しかし、トヨタを語るにあたり、この本（もしくはこの前身）をはずすわけにはいかないでしょう。
確かに今のトヨタはグローバル化も激しく、これに当てはまらないものもあるでしょう。
ですが変化を知るにもまずは基礎から。
トヨタの基本はこの本に全て詰まっているといっても言いすぎではないのではないでしょうか。
大野耐一さんの著作もすばらしいですが、トヨタ生産方式を体系的にまとめている本でこれ以上のものは未だ出会ったことがない。

トヨタ生産方式が簡単に知りたいだけなら大野耐一さんを勧めますが、本格的に知りたいならこれ。
ただし、トヨタ生産方式について基本的なことは知っていなければほぼ挫折するでしょうし、初めてでこれは選ばないでください。
値段も高いので、自分がどれだけトヨタ生産方式を知りたいかを考慮してから購入することを勧めます。

今でこそ、トヨタ生産システム、だけではなくトヨタについて書かれた本がたくさんある。しかし、いまから、１０年以上も前には、かならずしも、トヨタ生産システムはメジャーではなかった。そして、資料が少なかった。大野耐一さんの名著はとてもよいけれど、細かく書いてくれているわけではなかった。門田さんが米国で発刊され、日本に逆輸入されたというのはいかにも日本らしい。しかし、その本が一番、勉強するのに役にたった。新たに、最近の状況を踏まえ、大著として発刊されたのを機に、もう一度、勉強してみよう。神格化されたトヨタ生産システムとは異なる、生産の仕組みを学ぶために。

トヨタ生産の解説本はいくつもでていますが、どの本にも大きな問題があります。それは、トヨタがどうやって平準化生産を実現しているのかに関してほとんど記述がないことです。中には、トヨタ生産が受注生産であるかのごとく記述している本さえもありました。
門田さんが１９９１年にだされた「新トヨタシステム」という本には唯一トヨタの生産計画の仕組みが書かれていましたが、絶版となっていました。本書にはトヨタの生産計画の流れや平準化生産実現の仕組みが記述されています。トヨタ生産の本質を理解するためには欠かせない本といえます。