期待の新鋭ギタリスト、初の超絶ライブ!
★★★★☆
ポスト・アラン・ホールズワースの呼び声が高いオーストリア出身のテクニカル系ギタリストAlex Machacek(アレックス・マクヘイサック)による初のオフィシャルライブです。正確に言うとライブDVDが以前リリースされていますが、CD音源としては初登場。テクニカル系ミュージシャンの殿堂、Abstract Logixレーベルから2009年発売。去年からメーカーサイトからダウンロードができましたが、やはりCDという安心感は捨てがたいですね。メンバーはShawn Laneなどとの共演で知られるJeff Sipe(Dr)とNeal Fountain(Bass)というトリオ構成。2008年6月29日、リンカーン・シアターで行われたギグを収録。
演奏楽曲は最新アルバム「Improvision」からが中心ですが、ホールズワース・ライクな独特の浮遊感と超絶技巧は相変わらず悶絶モノです。スタジオ盤ももちろんいいのですが、若干ラフなテイストが漂うライブのほうが、このプレイヤーの魅力がよくわかるように思えます。とてもトリオ構成と思えない音の空間的な広がりと、ギターともキーボードともつかない浮遊感あふれる独自のフレージングは、もはや彼独自のものであり、単なるフォロワーとしての位置づけでは語れない高みにまで達したようです。
決して一般的とは言えないプレイヤーですが、アラン・ホールズワースやスコット・ヘンダーソンあたりが好きな人にとってはマスト・アイテムと言えるでしょう。さらに興味を持った方、動くマクヘイサックを見たい方はテリー・ボジオとのトリオライブ「Out Trio」をお勧めします!