特に印象に残った作品は、浅暮三文の「參」と、中島らもの「DECO-CHIN」。
前者は、摩訶不思議な漢字が繋がっていく趣向が面白かった。
後者は、急逝した中島らもさんが事故三日前に書き上げた遺作。書き手の魂が作品にこもった傑作。読後、「これは凄い!」と唸った。
この二作以外では、夢枕 獏の「陰陽師 蚓喰(みみずく)法師」、北原尚彦「愛書家倶楽部」、沖方 丁「箱」、早見裕司「終夜図書館」、飛鳥部勝則「プロセルピナ」に、◎を付けた。
今まで読んだ「異形コレクション」シリーズのなかでも、上位に置きたい一冊である。
この手のホラー小説、ダークファンタジーのアンソロジーがお好きな方に、ぜひ御一読をとお薦めしたい。