短編小説の黄金時代はここに
★★★★☆
井上雅彦監修、書き下ろしアンソロジー。「短編小説の黄金時代を願い続けてきた《異形コレクション》」というコピーが、今回、身にしみわたってきた。毎回豪華な執筆陣、今回も一編ずつ、その作者独自の味わいとこだわりで楽しませてくれる。どの話も楽しめたけれど、特には、桜庭一樹、大槻ケンヂに注目した。
「オバケヤシキ」というテーマが怖い。ふつう本を読む環境は屋内で、電車の中でなければ室内。それで、似ている家などを舞台にされた日には… 隣の部屋へ行きたくても、ドアを開けられなくなってしまいます。
怖くて、しかも、人間存在が自ずとホラーにつながってしまうようなホラーの「オバケヤシキ」の数々、胸にぐっときた。