いまやイギリスにおいてはコーヒーハウスよりもパブのほうが多いように思うが(というか、コーヒーハウスでも酒を出すようになった、という見方のほうが正しいのかもしれないが)、パブにおいても、そこでの議論の文化が今でも残っているように思われる。
とはいえ、ハバーマスの言う「公共圏」としてのコーヒーハウスは、やはりこの時代のことで、いまや存在しないのだな、などと思った。
そんな時代認識にも手軽に読める書であろう。
残念なのは、それぞれが奇抜な色でできた不器用なパッチワーク状の構成。
どういうことかというと、それぞれのエピソードはそれぞれに光っているのに、そのつなぎ方があまりにも不器用で、ぐいぐい読める、という感じではないということ。
構成さえ上手くいけば、もっと面白い本になったのではないだろか。
なんだかちょっと消化不良感が残った。