2007年2月に公開された、アンディ・ラウ主演の歴史アクション。共演は、アン・ソンギ、ワン・チーウェンほか。原作は、絶大な人気を誇る森秀樹の同名コミック。コミックならではのダイレクトなスケール感を損なうことなく実写化に成功しており、物語の魅力をさらに増幅させている。アンディは、たったひとりで壊滅寸前の小国を救う稀代の天才戦術家・革離を見事に演じきり、アジアのトップスターの実力を見せつけた。また、敵将・巷淹中を好演したアン・ソンギの存在感も忘れがたい。迫力あふれる戦闘シーンはもちろんのこと、人間どうしの軋轢や友情、ロマンスなど、メンタル面でのドラマも丁寧に描かれていて好もしい。――戦国時代の中国。趙の大軍に狙われた梁城は、降伏を決意する。が、その時、ひとりの男が現れ…!?(みき~る)
兼愛・非攻
★★★☆☆
作品としては、アンディー氏がかっこよく映し出されすぎである。
”革離”はきっと頭のきれる人物だったのだろうが、前線であそこまで陣頭指揮していたら無傷ではいられなかっただろう。
とはいえ、どこぞの国の組織に”専守防衛”をモットーにした部隊が実在する事は記憶の片隅におくべし。
”攻撃は最高の防御”と説く国とどうやりあっていくのだろう?
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<墨家十論>
1,兼愛
兼(ひろ)く愛する、の意。全ての人を公平に隔たり無く愛せよという教え。儒家の愛は家族や長たる者のみを強調する「偏愛」であるとして排撃した。
2.非攻
当時の戦争による社会の衰退や殺戮などの悲惨さを非難し、他国への侵攻を否定する教え。ただし防衛のための戦争は否定しない。このため墨家は土木、冶金といった工学技術と優れた人間観察という二面より守城のための技術を磨き、他国に侵攻された城の防衛に自ら参加して成果を挙げた。
3.尚賢
貴賎を問わず賢者を登用すること。「官無常貴而民無終賤(官に常貴無く、民に終賤無し)」と主張し、平等主義的色彩が強い。
4.尚同
賢者の考えに天子から庶民までの社会全体が従い、価値基準を一つにして社会の秩序を守り社会を繁栄させること。
5.節用
無駄をなくし、物事に費やす金銭を節約せよという教え。
6.節葬
葬礼を簡素にし、祭礼にかかる浪費を防ぐこと。儒家のような祭礼重視の考えとは対立する。
7.非命
人々を無気力にする宿命論を否定する。人は努力して働けば自分や社会の運命を変えられると説く。
8.非楽
人々を悦楽にふけらせ、労働から遠ざける舞楽は否定すべきであること。楽を重視する儒家とは対立する。
9.天志
上帝(天)を絶対者として設定し、天の意思は人々が正義をなすことだとし、天意にそむく憎み合いや争いを抑制する。
10.明鬼
善悪に応じて人々に賞罰を与える鬼神の存在を主張し、争いなど悪い行いを抑制する。鬼神について語ろうとしなかった儒家とは対立する。
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前半最高!でも後半最低!
★★★☆☆
主役の男、アンディラウが本当にいい男です。
知的で謎めいてて、なおかつスキがなく
まったく他人に心を開かない男を演じています。
軍師でもなく兵士でもない男・・・
そんな彼に引かれる女性を、ファン・ビンビンが演じていて
この彼女が凄く良いんです。
今作で初めて観たんですが、ビックリしました。
とにかくストイックに自分を追い詰め
心を開こうとしない彼のドアを静かに、優しくノックします。
自分的には、この2人のシーンが1番好きでした。
前半は文句なしです。
さして、後半に一気にバトルで盛り上げ
最後はカッコ良く締めればいいものを
この監督は、
見事にぶち壊しました!
信じられません。
あんな終わり方はいけません。
あれじゃ、結局なんだったの?って話ですよ・・・
中国映画の限界
★★☆☆☆
壮大さも奥深さも無く、中途半端なつぎはぎ映画になってます。
戦闘シーンも、城防衛シーンも、築城シーンも、滝壺シーンも、洪水シーンも
なんか緊張感がない。早送りしたい衝動に何度も襲われます。
農民や君主の演技がいかにも「中国の劇団」ぽい臭い演技で、悲壮感も切迫感も台無し。
無理に恋愛を絡めてるので、テーマも絞りきれていないし、ストーリー進行にも無理が生じ、感情移入できない。
農民たちの団結もなく、ただただ優れたリーダーについていくだけの愚民として描かれている。
アンディ・ラウくらいしか評価できない。
とにかく後味が悪い…
★★☆☆☆
「10万人の敵にたった一人で挑む。」
このキャッチコピーから痛快な逆転劇を期待して見たところ、かなり痛い目にあいました。
前半は主人公・革離の智謀が冴える、まさに10万の敵に立ち向かってゆく勇壮な展開。
しかし後半からは政治的思惑が絡み、坂を転がり落ちるように一気に不幸な展開に…恩を仇で返されるわ、守ろうとしたものは結局なにも残らないわ。
現実というものを克明に書こうとすれば、痛快なものになるはずがないとは思います。
が、せめて物語の中でくらい、正しい人は報われ、悪人には相応の裁きを望むタイプとしては、非常に辛い展開でした。一応、悪人には裁きが下っているのですが、正しい人はほとんど報われていないので…。
その辺りの因果応報が気にならないようなら、楽しめる作品だと思います。
物語にハッピーエンドを望む方は手を出さないほうが無難かと思います。
あまりの後味の悪さに☆1つにしようかと思ったのですが、映像的な綺麗さと、アンディ・ラウをはじめとする役者さんたちのかっこよさは文句無しだったと思うので、☆1つプラスにしました。
モンゴルフィエもびっくり
★★★☆☆
あっと驚く知略の応酬を期待していたのですが、やや拍子抜け。
「民はもとより勢いに服す、よく義につくもの寡なし」
と言う韓非子の言葉を地でいく結末には、納得行かない方も多いでしょうが、
まぁ、あれはあれでありかなと。