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雨月物語 [DVD]

価格: ¥1,000
カテゴリ: DVD
ブランド: Cosmo Contents
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日本映画の再興 ★★★★★
どちらかというと昔から黒澤映画のファンで、溝口監督の映画は、あまり見たことがなかった。
でも、今回何となく気が向いて見たのだが、その奥深い表現に圧倒された。本当の芸術作品を見た気分である。

ただ、この映画を見て思ったのは、これだけの映画になると、演じる役者さんの素養もかなり要求される。単に、感情表現をするだけでは無理で、日本文化への深い知識と経験が要求される。

今は、作られることの無くなった、こういう日本映画を守るためにも、しっかりとした日本の文化に根ざした、映画人や俳優の養成が必要なのではないでしょうか?
元々、数多くの名作を生み出してきた日本の映画界なのに、このまま、国籍不明の映画を作り続けても、結局は廃れると思うのですが。

日本映画でありながら、全てが新鮮でした ★★★★★
溝口監督の作品は今回初めて観ました。いやあ、素晴らしかったですね。

ゴダールが絶賛しているということで、もっとヌーヴェルバーグ作品
のような奇抜な演出を予想していたのですが、思いのほかオーソドックス
な演出でしたね。

私はカメラワークとかそういう専門的なことはわかりませんが、それでも
最近のアイドル俳優が出演しているような時代劇とはまるで格が違う
作品だということははっきりわかりました。

何か日本人でありながら知らなかった過去の日本を見せてもらったという
か、日本映画でありながら全てが新鮮だったのは驚きでしたね。
正直なところ... ★★★☆☆
一旗揚げようとする戦国時代の百姓たちの物語。
「利益」や「権力」を求めて故郷を出て、その果てに気付く故郷と日常の価値の大きさ。

初めて溝口健二監督の作品をみた。
評価の高い邦画ということだが、
ストーリーがオーソドックスなことと白黒映画に見慣れないことで、
正直なところ少し眠たくなることもあった。

淡々としたストーリーが好みでないということかもしれない。
逆に、原作2編を違和感なくひとつの物語に作り上げたことは素晴らしいと思う。

他のレビューアーの皆さんのようにカメラワークなどに気が回るのは先のことになりそうだが、
もっとたくさん名作を見て目を養いたい。
普遍と特殊 ★★★★☆
初めて溝口の作品を見ました。映画に求めたいたものはきらびやかな映像美であった私にとり白黒の作品というのはどうも偏見に基づく抵抗があり今まで見ることはありませんでした。海外での評判もしょせん無知に基づくオリエンタリズムがなせるものとの偏見が大きく作用していたようです。他のレヴューアーの皆さんが指摘する映画技術上のポイントは今でもわからないというのが正直な感想です。でもここにはたしかにオリエンタリズムを超える普遍があるというのは見ることによって得た新しい発見でした。この「普遍」が雨月物語の持つ日本の文化のディテールの描写とこのように見事に融合した場合に引き起こしたこれほどの世界的な賞賛は必然だったのでしょう。「権力」や「利益」を求めて故郷と日常から戦国の動乱へ飛び出した男たちが、現実と永遠の幻想の後に見出したものは、故郷と日常の価値の再発見でした。農作業と焼き物の日常が描写される結末のシーンは永遠の真理を現しています。現実の残酷な描写はあくまでも隠喩で描写され、幻想の描写は細かく小道具を使い描写されるのは見事なコントラストです。そして田中絹代と京マチコとの対照的なcharacterisationも見事にそれぞれの女優の個性を反映したものです。
初めて知ったすさまじい衝撃 ★★★★☆
この映画は、今はなき銀座の並木座で見ました。古い土蔵の白い漆喰の上に映し出されたかのような光と影の”雨月物語”は「映画とはこういうものなのだ」という事を初めて知ったすさまじい衝撃を思い出されます。DVDになると映画と違って映像作品になってしまいますが、それでも地獄の底のような静けさが作品の深いところに常に流れています。これは日本映画の傑作などと言う、ちんけな評価ではなく、この日本という島国に太古から流れている神聖、崇高なたたずまいを光と影で写し撮った世界宝とでもいうべき”映画”です。