パーカーの良さは聞き飽きる事のないモダンジャズの原型ゆえだと思う。マイルスやクリフォード・ブラウンやハードバップの数々を聴く事は演奏家と対峙する勝負を感じるが、パーカーには包み込むでも、突き放すでもない、力のぬきかげんがちょうどよく感じる。
古い録音のため、ノイズが多いのが残念。できればオリジナルの10インチのレア盤を聴いてみたい。
これは音楽に限ったことではなく、メディアに収録され得るすべての芸術に共通する宿命である。では、Parkerは? いつでも、私たちの目の前に「イマ」を現出する世界を展開してくれる。こう思う時がある、Charlie Parkerとは次元の高いJazzの演奏家ではなく位相の異なる文化の創造者ではないか、と。1940年代後半のDialとSavoyは彼の絶頂期を収めた2大レーベル。国内外のレコード会社からさまざまな形とボリュームで発売され続けている。決して押し売りはしないけれど、Parkerを聴くならBGMとしてでもいいから何度もできるだけ繰り返し聴いて欲しい。