時の流れに飲み込まれながら、遠い青春を想う「十年の後」
青春を支えている観念が現実の壁にぶつかり、もがき苦しむ「贈る言葉」
どちらもテーマは「青春から荒廃へ」
この作品は1971年に出版されたものではありますが、2005年の今を生きている私の心に、深々とメスを入れた作品です。
「できた物語」は、主人公が未熟から成熟し、そして大空に羽ばたいていくことでしょう。
しかし、この本ではそう簡単には進むことが出来ない「現実の壁」が高く、高く待ち構えているのです。
そして私は、この作品の先にはまだ何か大きなものがあるのではないかと思いました。
そう、私にはこの先を探すために、この著者の他作品を読む必要があるようなのです。