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贈る言葉 (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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ものすごく気持ち悪い ★☆☆☆☆
 表題作について書く。これが「新潮文庫の100冊」だったなんて悪夢のようだ。東大生のカップルが、セックスをさせるかさせないかでむやみと気障な議論を繰り返し、結局しないのだが、とうてい現代において読まれるものとは思えない。逆に、そのような相手のいない男女にとっても、まったく縁遠い話である。気持ち悪いものを読みたい人にはお勧めである。
青春とは ★★★★☆
男の青春とはいつの時代も「女の子」なのだな、と再確認させてくれる。70年代の大学生からの青春物語の2編。こんな出だしだと怒られてしまうかもしれませんが、21世紀の現在も同様である。あと「貧乏」「安アパート」が加われば全てである。「暴力」だけでは青春を描ききることはできないのである。両編とも青春時代のもどかしさを繊細なタッチで描いている良質な作品である。青春時代は悩む時代なのである。若いときからお金が溢れてたり、女の子にモテモテではいけないのである。理由は無いが、青春時代を既に経験している世代は、このことが本能的に、皮膚感覚的に理解できるのである。
青春の終焉を端整に描いた名作 ★★★★★
表題作「贈る言葉」と「十年の後」の中篇2本を収録。
いずれも、テーマは、青春という曖昧で、実際は美しくもカッコよくもない
(若くて未熟なのだからそれは当たり前なのだ、考えたら、でもそれに
気づくのは、通り過ぎてからだったりする)不器用な生き方をしていた時代の終焉だ。

「贈る言葉」は、ある男子大学生が、電車の中で知り合った、美しくも垢抜けても
いない女の子に心惹かれるが、彼女の頑なさの前に立ち尽くし、焦燥する話。
2人は付き合いだすのだが、肉体的な関係に進むかどうかで激しく議論をして
疲れ果ててしまう。こういう不毛さって、性的な感覚が時代によって変わって
しまっても、なぜか頷けてしまう。異性と抱き合うにも抱き合わないにも
理由や必然性なんて大して無いのに、何か意味づけを求める男女の不器用さは
痛々しくて、だけどみずみずしくもある。

そして「十年の後」は、再会した学生時代の恋人と、お見合いで知り合った
婚約者の女性との間で揺れる青年を描いた、という、プロット的には
テレビの恋愛ドラマみたいな話なんだけど、主人公の男性の心理描写が
読んでいて切実に胸に迫ってきて、息苦しくなった。元恋人の女性への
思いが膨らむと、婚約者の女性に電話をかけるのが億劫になるとか、
女性側の気持ちになるとたまったものじゃないけど、こういう風に
人の心ってぐらぐらするよな、と読んでいてすっと入り込めた。
OLのことを「BG」と書いていたようなだいぶ前の話だけれど、古さや
それにともなうしらじらしさはまったく感じなかった。
青春、荒廃、そして・・・ ★★★★☆
お前はこれでいいのか。
お前はこうしたもので、本当に充たされているのか。
お前はこれで死ねるのか。

時の流れに飲み込まれながら、遠い青春を想う「十年の後」
青春を支えている観念が現実の壁にぶつかり、もがき苦しむ「贈る言葉」

どちらもテーマは「青春から荒廃へ」
この作品は1971年に出版されたものではありますが、2005年の今を生きている私の心に、深々とメスを入れた作品です。
「できた物語」は、主人公が未熟から成熟し、そして大空に羽ばたいていくことでしょう。
しかし、この本ではそう簡単には進むことが出来ない「現実の壁」が高く、高く待ち構えているのです。

そして私は、この作品の先にはまだ何か大きなものがあるのではないかと思いました。
そう、私にはこの先を探すために、この著者の他作品を読む必要があるようなのです。

若い人に ★★★★★
若い人に絶対的にお勧めです。年をとってからでは読めない本のひとつです。これが若さというものなのでしょう。