イマイチかなぁ・・・
★★★☆☆
ジョン・ピザレリというと、イタリア系アメリカ人の陽気なギタリストで、軽快なジャズ・ヴォーカルを聴かせる若手で、ナット・キング・コールの大ファン、そんなところでしょうか。
このアルバムはそんなジョン・ピザレリが挑戦したビートルズ作品のカヴァー集で、Swing Journal誌でゴールド・ディスクに選定された、評価の高い作品です。曲によりジャズ風であったり非ジャズ風であったりはしますが、「軽快」なアレンジで統一されていて、聴きやすいとは思いました。ジャズ・ミュージシャンによるカヴァーの多い"Can't Buy Me Love"や、いかにもジャズ・カヴァーをしやすそうな"I've Just Seen A Face"や"When I'm Sixty-Four"などは良かったと思いますし、予想以上に軽い"Oh! Darling"等は楽しめましたが、"The Long And Winding Road"や"For No One"などはアレンジが安易すぎる気がします(正直、ちょっといただけないかな)。
評価が高い作品のようですが、個人的にはイマイチのカヴァー集といった気がします。
ビートルズ・カバーの傑作ですって!
★★★★★
ビートルズをカバーしたアルバムは星の数ほどあれど、このアルバム程楽しいものが他にあったでしょうか?
ずーーーっとナット・キング・コール物ばかり演っていたピザレリが、心機一転、レノン=マッカートニーの名曲の
数々を最高にポップなジャズにしてくれました!
ビートルズをジャズにアレンジ、なんて言ったら、下手するとスーパーのBGMみたいな代物になりかねません。
その点このアルバムは、ピザレリ自身 「どこかのバーで、ギター一本で "Let It Be" を歌ってるような
うら寂しいモノにはしたくなかった」 と語る通り、全編ゴージャスなビッグ・バンドにナット・コールゆずりの
洒脱なスイングとウォーミーなボーカルが乗って、とことんハッピーになれる素晴らしい出来栄えです。
1曲目の"Can't Buy Me Love" から "When I'm 64"、 "Eleanor Rigby" 等々、テイストの異なる曲を
華麗なビッグバンドアレンジでまとめ上げたのは、CTIの名アレンジャー、ドン・セベスキーです。
ビートルズでCTIでセベスキーと言えば、ジョージ・ベンソンの "The Othe Side of Abbey Road"も、
素晴らしいビートルズカバーですので、そちらも一度是非。
選曲はいいが、アレンジは平凡
★★★☆☆
Beatlesをジャズで取り扱うと言う試みは、多数あり、検索では探せないような作品も僕は持ってる。
これらの中で、成功しているものと言うのは、、実はあまり多くない。単発でビートルズのカバーをした名曲、名演奏はあるけど、全曲Beatlesとなると、そこに変な統一性をもたせようとして、ジャズの持っているはずの自由奔放さが失われてしまっているような気がする。
このアルバムも、全曲同じようなアレンジ統一性はあるけれど、じゃ、斬新で、目をむくようなものがあるのかといえば、何もない。
Beatlesを個人で完全カバーするのは如何に難しいか知らしめる作品かもしれない。
帯に偽り無し
★★★★★
確かに、CDの帯に書いてある通り「ジャズの洒落っぽさと、ビートルズ・ナンバーの素晴らしさの両方を満喫できる」作品ですね。これまた帯に「僕は選んでビートルズを演る」とあるように、選曲的には、ちょっと通な感じがあっていいですね。スウィンギーな2、ビッグ・バンド風の1,10、ひたすら小粋な3など、素晴らしいアレンジが楽しめます。