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トリップ (光文社文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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普通じゃない ★★★★★
 普通でない人達の連作短編小説.
 駆け落ち失敗少女,ヤク中主婦,ストーカー青年etcetc.これだけの面子を集めて何が起こるのかといえばこれといった事件は特になく,淡々と物語は進んでいく.明確な結末は示されず,奇蹟による救済も起こらない.おそらくこの語の彼らの人生もろくなものではないんだろうことは容易に想像できる.
 それでも登場人物たちが希望を見出せているのが凄い所だ.分かりやすい物である所か万人に共通するようなものでは決してない.それでも彼らは希望を見出している.冒頭に「普通でない」とは書いたものの,多くの人達は大なり小なり彼らと何も変わらないのかもしれない・・・
普通(?)の人たち ★★★★☆
どこか東京近郊の郊外と思われる町に住む、いろんな人たちの物語。

この作者は、淡々とした文体で、「見なくていいもの気づかなくていいもの」をさくっと描いてしまう。死にもの狂いのたくさんの選択の結果が、冴えなくて、でも死ぬまで続いて行くこの日常であるという、多くの凡人にとっての真実。毎日の献立を考えたりテレビ見て笑ったりして誤摩化してるけど、ふとした瞬間に思い出してしまう恐怖。

「きみの名は」における「淀橋君子」、「カシミール工場」における「野村典生」、「秋のひまわり」における「マナベさん」のように、生活の中に、小さくても何かしらの希望を見いだすことで、みんなようやく生きていける。

弱ってる時に読むとちょっと滅入る。途中で本を閉じたくなる。でも、元気のある時であれば、登場人物たちのような「弱い」人間でも、それでもがんばって生きていこうよ、という作者のメッセージが読み取れると思う。
現実とファンタジーの境界線を楽しみたい。 ★★★★☆
普通の町に生きる普通の人々にも,それぞれの中には,誰にも言わない秘密があったり,突拍子も無い妄想があったりする。そんな,日常から少しだけ外れたファンタジーを綴る連作短編集。ある作品の主人公が,次の作品における主人公の視界の中に出てきて,いろいろなことを思われている。。。そんな光景が連綿と続きます。

著者がよく使う表現に「Aとか,Bとか,Cとか,Dとかを・・・した。」ってのがある。冒頭の書き出しでもいきなり。ひとつひとつが妙に具体的で,下手すると小学生の日記みたい。ただ,固有名詞をたくさん並べることによって,退屈な時間の行動や,散らかった部屋の様子や,街中の雑踏なんかを,ぱっと映像として描ける。そんな効果を狙ってるのかな。それが分かって,角田作品の面白みが感じられてきました。

個人的には「秋のひまわり」〜「カシミール工場」のあたりが面白かったっす。

ここではない自分の居場所 ★★★☆☆
ある町を舞台にして
幾人もの男女が織り成す日々を淡々と綴っている印象。
どの人間にもそれぞれの歴史があり、
そして日々の生活がある。
でも、それが本来の自分の居場所なのか?と聞かれると
素直に「そうだ」と答え切れない人たちを描いた連作短編集。

いたるところで登場人物たちが少しずつリンクしていて
なるほど、と思わせる反面、
いや、同じ町にこうも人生のバランスを壊しそうになっている
人たちが集まるか?とも思える。
でも、そうなんだろうな。
みんな、本当の居場所を求めつつ、でもそれができずに
もがきながら、そして何とか道を踏み外さないように
生きている。

すごくリアルな感じの話でした。
みんな、今いる場所に違和感を感じつつ、
でも、そこに居ざるを得ない、
そんな焦燥にも似た気持ちを感じながら
日々を過ごしているのではないか?
人間の奥に潜む想いを体感できた一冊です。
すこしズレた日常 ★★★★☆
「ありふれた町の、ふつうの人々の、すこしズレた日常」←オビ

まさしくそんな感じ。短編10なんですが、

小さな町ですれ違う人々。

自分から見た相手。相手から見た自分。

勝手に膨らませた妄想。妄想を上回る変さ(笑

変だけど、なんとか止まっている。でも一歩間違えば・・・

日常生活って本当に危ういバランスの上でなりたっていて、

ちょっとしたことで壊れてしまうのかも知れません。

ニュース見てると、あっ、バランス崩れて、一歩踏み出しちゃったねって人がたくさん。。。