自分の人生に最も影響を与えたアーティスト、New Orderの事実上のシングルベスト2枚組。
The Best Of, Singles, RetroなどなどNew Orderのベストは収録曲や収録ヴァージョンを変えて何種類も発売されているうえ、全てipodで聴くようになってしまった今となってはアルバム単位で語るのもナンセンスかもしれないが、CD時代に一番よく聴いたベスト盤としてこのSubstanceをオススメしたい。
無機質なシンセとフッキーのベースに乗ったバーニーのヴォーカルはヘタウマで、エモーショナルなスタイルではないにもかかわらず、聴く度に涙がこぼれてきてしまうのはなぜだろう。五つ星という評価だけではとてもこの思いを表現できない。一生聴き続けたいアルバム。

ニュー・オーダーで1枚選ぶならやはりこれ。
編集盤ですが、そういった括りでは語れない唯一無二の作品。
元々シングル重視のバンドなだけになおさらです。

"Technique"以前の、全盛期とされる時代のシングルを集めており、
1枚目にA面の曲、2枚目にB面の曲が収録されています。
ジョイ・ディヴィジョン直後のニューウェーブ色濃いゴシック的な曲から
徐々にダンス、HIPHOPのビートを取り込んだ鮮やかな曲へと
昇華していく過程が存分に味わえます。
特に後半の曲は完全に突き抜けたものばかりで、
"Perfect Kiss""Shellshock""True Faith"など才能あるバンドが
1曲残せるかどうか、といったレベルの凄まじい曲が続きます。
次第にダンサブルに変貌する曲も、根底にあるクールな感覚は変わらず。
泣きながら踊る感じでしょうか。聴き手に感傷の波が絶えず押し寄せます。
2枚目は1枚目の曲のインストやバージョン違いのものが多く
若干影は薄いものの、"Lonesome Tonight"と"1963"は彼らのベストに挙げる
人も多い超名曲で、見逃せません。
現在のエレクトロニカを取り入れたロックミュージック。
その全ての始祖と言っても過言ではない存在。
ロック、テクノ双方のファンは聴かずに死ねない作品です。

中心となるイアンに先立たれ、取り残された3人が
新たな仲間を加え、手探りで自分たちの音を探してゆく。
凄まじくド下手な演奏なのに、聴く者の心に掴んで離さない。
ファクトリーレコードの軌跡やハシエンダの狂騒も含め、
外部の人間にとっては後付けでしかないエピソード。
しかし音楽とそういった物語全て含めて、唯一無二のバンドだと感じさせてくれる。
僕にとってニュー・オーダーは、ビートルズと肩を並べられる程
深い意義を感じるバンドです。ほんとに大好きだ。

８７年発表。８２〜８７年に製作された１２インチ・シングルのＡ面を集めたＣＤ１とＢ面を集めたＣＤ２による二枚組。この作品をシングルのみの曲や未発表の曲も含まれるという落ち葉拾い的なアルバムと考えると大間違い。アルバムの性格上、代表作と言い切ってしまうのにはいささか問題があるものの、さすがはシングル曲！！と呼びたくなるほどの珠玉の作品が揃っている。そんな理由で２妹組ということでボリュームがあるが、ニュー・オーダーの最初の一枚として強く押したいアルバムである。この作品を聞くと後のテクノ/ハウスの大きな源流の一つが彼らであることを再認識出来るだろう。今となっては目新しくなくなったリズムマシーンのベードラの連打や、シンセサイザーの音色、ヴォーカルの入り方など思いっきりクラフトワークの影響を見せるものの、彼らならではのカラーを強く感じさせる。ポップでクール、そして機械の中に肉体性を感じさせる彼らは、特異な存在でありながらどこか親しみやすい。これはやはりキチンとしたメロディーがあるからだろう。１２インチ・シングルなので、曲の流れも物凄くスムーズ。４〜８．あたりは特に粒ぞろいだと思う。絶対のお薦め。

このアルバムは現在活躍するニューウェーブ、インダストリアルパンク、テクノ、オータナティブ全般の特に優れたアーティスト達がプロになる前に聞いていたと思う。このアルバムがヨーロッパ、アメリカの全てのクールな音楽に通じるシルクロード的アルバムだと思う。