「簡易な顧客情報を持っている、ＣＲＭの概念はなんとなく分かった。
でも、ＣＲＭって具体的にどう展開すればいいの？」

といった状況の個人商店などを展開されている方に、実践編の入り口としてお勧めします。

慣れ親しんだエクセルを使い、どうＣＲＭ展開していけばいいのが、
顧客ＤＢをどういった切り口で分析すればよいのかを具体的な事例を用いて紹介しています。

ＣＲＭの基礎的な知識がないと読んでもちんぷんかんぷんですが、
ＣＲＭを具体的に展開したいという状態になっていらっしゃる方であれば、
ＣＲＭ実践編として読んでみると

「ＣＲＭってこういうことがやるんだ」ということが分かります。

自分も本書を読むことで、ＣＲＭについてより具体的なイメージをつかむことができました。

ＣＲＭの活動手順や概略、目的など前半で指針を載せてはいるが、すぐに事例だらけとなり、後半からは具体的な分析手法へと変わっていく。顧客のランク付け（ＲＦＭ分析）や商品のＡＢＣ分析、その他マイニング手順などＣＲＭ業務に携わる方にはいい事例が載っている参考書です。
※「エクセルを使って〜」とあるが、本書ではあまり関数や数式、セルの活用方法などＯＡの参考書のような説明や記載は期待していたほど掲載はされておりません。しかし、スキルの高くない方でも理解できる範囲かと思います。
　昨今はＣＲＭの主担当が多く出現し始めており、システム面も相当整備されてはいるかと思います。当然のことながら実践に勝る良書は無いとは思いますが、高いシステムを投資する前にこうしたエクセルなどをベースに蓄積されたデータを活用する苦労と試行錯誤を繰り返すにはいい材料です。
　中小企業などでこれから導入を段階的に進める予定のある会社や経験の浅い担当者にはシステムで高い買い物をして何もできないという笑い話しを避けることが大事でしょう。
　ＣＲＭの組織文化の意識付けなどはこの本では厳しいですので、別途プロジェクト推進の手順本なり、コンタクトセンター関連の有料雑誌を取るなりして、進められればいい補足材料となるでしょう。

この本のよいところは他の本のように概念や方法論だけで終わっていない点。CRMの事例とともに具体的にエクセルを使ったデジル分析やRFM分析のやり方等などを分かりやすく書いてある。「CRMが素晴らしいのはわかった。実践はしたいが高価な投資はできない。何か方法はないのか？」と迷っている方におすすめしたい。ただしある程度エクセルを使える前提で書かれているので、エクセルを普段使われていない方は、初心者用のエクセルの本も必要になるかも。