「大正」が見えてくる
★★★★★
他社からもダイジェスト版で出ているようだが、これは是非完全収録版で読んでいただきたい。当時の政治・文化・芸能とあらゆるジャンルの人物が現れ悉く揶揄されている。いわゆるゴシップだ。しかし薄田の軽快な筆により上質なユーモア溢れた人物・時代描写になっている。時々なんのこっちゃ?と首をかしげる内容が散見されるが、これは時代が経ちすぎたせい。そのような箇所をぬきにしても、私のような若年者も明治・大正の香をしばし嗅ぐことができる。にしてもこんなに博学なコラムニストが今も存在するだろうか?こんなコラムを今でも載せる新聞があるのならすぐさま取るのだが・・・