第一次大戦や原敬内閣や米騒動が時事問題であることに驚かされる。また芸能ネタの対象が歌舞伎役者というのも時代を感じさせる。当時の役者の名前など出されても現代の我々にはちんぷんかんぷんだし、その手の「通じない話」の分量が結構多いためセレクション版に比べると面白さは少し落ちる。しかし作者自身、まさか80年90年後にも読まれているとは夢にも思っていなかったことであろう。