このエッセイ集は宮本輝、村山由佳、鈴木光司、乙一といった、
現代の文豪から、新進気鋭の若手作家まで37人におよぶ作家が、
ダ・ヴィンチに掲載していた「日本テレコム マンスリーエッセイ」を一冊にまとめたもの。
一人の作家が、5,6ページの「コミュニケーション」をテーマにした短いエッセイを一つ書き、
翌月にはまた違う作家がエッセイを書く、というスタイルをとる。
毎回の最後のページには一枚の写真と、執筆した作家が直筆のメッセージとサインを書くのも特徴。
ボクは数あるエッセイの中でも、大林宣彦「賢者の自由」がお気に入りだ。
非常に短いエッセイだが、全ての文を何度も心の内で反芻して、「自由」について考えてしまう。
たくさんの人がこの本で好きな作家に巡り会えるであろうコトも考えられる。
「とりあえず」ぐらいの気持ちで読んでも、最後まで読み通してしまうであろう名書。オススメ。