「日本人に見られやすい誤り」が有用
★★★★★
受験英語では、どちらでも良い、と学んだ文法事項でも、
「ネイティブはこうするのが自然」と教えてくれ、さらにその理由にまで解説がなされている。
また、日本人が誤りやすい文法や動詞の使い方を指摘している。
例:×John has just become thirty. (becomeではなくturnedを使うのが正しい)
×I'll leave Japan on August 10. (既に決まった予定にはwillではなくbe going toを使うのが正しい)
さらに、読解はできても、日本人的があまり英作文で使いこなせない言い回しなど、
こういう文法書がほしいと思っていたことが解説されています。
とりあえず不自然でも意味が通じる英語から、ワンランク上の自然な英語へと上達するために、
大きく寄与する一冊だと思います。
有用なハンドブック。だが肝心な項目がいまひとつ。
★★★☆☆
英文を書く際によく間違えてしまう事項が網羅されており、ハンドブックとして有用と感じます。
ただ、日本人が苦手な「主語をどう書き始めるか」「時制」「仮定法」などに関する説明が、ややさらっとしており、もう少し突っ込んでほしいと感じました。
たとえば、「過去か過去完了か?」なんかより「過去か現在完了か?」の方がよっぽど切実で悩ましい問題です。
一方、たとえばコロケーションの章などは類書には無い説明で、興味深く読むことができました。
お役立ちの一冊
★★★★★
他のレビュアーの方も書いておられますが
ある程度英文ライティングの経験があるひとが
「ちょっと確認」という形で使える一冊だと思います。
(サイズもコンパクトですのでデスク脇に常備といった感じで)
第20章「作文とコロケーション」は、その方向でもっと広げて
別の一冊を作ってほしいという感じです。
ノンネイティブは、文法的に正しくても
つい不自然な英文を書いてしまいがちですが、
自然な英文を書くうえで役立つ良書だと思います。
ライティングに特化はしていない英文法注意事項集
★★★★☆
日本人が間違い易い英文法ポイントをまとめた注意事項集という感じです。はじめて知る事項が結構あったし、既知の項目についても知識を再整理するという意味で有意義でした。英文をある程度自由に書けるが細かいところは不安、というレベルの人が読むと一番効果的だと思います。逆に「日本人の間違う英文法」系の本を何冊も読破したような人だと新発見は無いかもしれません。
「ライティングのための」と強調してあるところを期待していたのですが、この点では必ずしも満足ではありませんでした。個人的には学術論文、ビジネス報告書、TOEFL essayなどの、お堅い文章を書く際に役立つものを想定していましたが、「これは口語的でないのであまり使うな」的な注意事項が出てくることからもわかるとおり、堅めの書き言葉に特化した内容ではありません。例文も日常系のものが多いです。このため星−1。ただしこの点は「ライティング」で何を期待するかにもよると思います。
ありそうでなかった文法書
★★★★★
動詞、助動詞、副詞…と品詞別に解説されていきますが、
『ロイヤル英文法』に代表される、いわゆる学習のための文法書と違うところは
ネィティブが文章を作るときの感覚が学べる点だと思います。
特に「形容詞」と「副詞(句)」の章は、
学習用文法書では載っていない共通の意味を持つ単語の違いや使い分けが詳しく説明されていて
目からウロコでした。
最終章の「ことばと文化」では日本語と英語の世界観の違いや
日本語と英語のズレが解説されていて、読み物としても面白いです。
巻末には参考文献や索引も付いて、言うことなしです。