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ナグ・ハマディ写本―初期キリスト教の正統と異端

価格: ¥3,360
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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とても深く追究した本 ★★★★★
面白くて一気に読んでしまいました。
グノーシスのことが素人にもわかりやすく載っています。
聖書の知識があると、もっと理解が深くなると思います。
変に専門用語なども使われていないので、力まずに読めました。

また1つの思想に限らず、いろんな方面から仮説が立てられているので
これだけ楽しめた本も久しぶりでした。
とってもおすすめです!
文書をとおして何を知ってほしかったか ★★★★★
当時の歴史・宗教・人々・人間関係などについて詳しく書かれています。そして発見された文書は、人間と神との違い、人間が知らなくて神が知ってること、神とはなにをとおして世界を見るのか、というものを考えさせられる内容のものでした。
グノーシスか、或いはナグ・ハマディか。 ★★★★☆
エレーヌ・ペイゲルスのホームグラウンドは聖書研究である。よって本書も文献学的素地に立脚することになる。原典の訳「グノーシス文書」が荒井によって「ナグ・ハマディ」と書き換えられた点は、ここに帰すると考えられる。内容にはナグ・ハマディ以外の資料も用いられることになるが、その全ての論拠をナグ・ハマディ文書から抽出している点からも同様なことが言える。問題なのは、その方法論の正統性である。言うなれば、断片的に残存していた箇所を女史が独自の見解で補完していることである。よって、女史は自らのグノーシス論の確立という意味を込めて題目を「グノーシス文書」としたのだろうが、その点についての賛否を踏まえて、翻訳題名が上記のように決したと言えよう。
感動的で歴史的な力作、、、を貶める訳者の傲慢 ★★★★☆
アメリカの女性グノーシス研究者エレーヌ・ペイゲルスによるこの著作は、20世紀のグノーシス研究の中でも五指に入る重要な仕事だと思います。彼女は、1945年に発見されたナグ・ハマディ文書を存分に活用しながら、グノーシスをキリスト教会の制度的な発展・分化というコンテクストの中で理解しようとします。

ヨナスやそれ以前の研究者の方法を神学・哲学的アプローチとするなら、彼女のそれは歴史学的なアプローチということになるでしょう。キリストの生と死に関する独自の解釈と真の自己認識にいたる神秘主義的な実践を発展させていったグノーシス主義は、いかにして正統派教会から異端のレッテルを貼られ、歴史上から消去されていったのか?ペイゲルスは、グノーシスの教義、ジェンダー、教会の制度的発展、さらには殉教観念の決定的相違などに着目しながら、非常にクリアでスマートな議論をしています。見事の一言です。

残念なのは、訳者の仕事振りです。訳者荒井氏は、本書の原題The Gnostic Gospelsを「ナグ・ハマディ写本」と変えてしまっています。これは暴挙ではないでしょうか。ペイゲルスは、グノーシス主義への共感を隠すことなく、彼らグノーシス主義者たちが正統派の福音書とは異なる彼ら独自の福音書を作り出したことを重視しています。荒井氏のタイトルは、グノーシスを根絶した正統派キリスト教徒のように、ペイゲルスがタイトルにこめたニュアンスを消していると思います。また、彼は後書きで、ペイゲルスの議論にはこれこれこのような問題点があって、本人にも確認したなどと得意げに記しています。読んで非常に不快な後書きでした。

大胆で魅力的な本 ★★★★★
第二次世界大戦終了直後の1945年12月、一人の農夫がエジプトで、大きな壷を堀出した。その中には13冊のパピルス本と装丁されてないパピルス文書が入っていた。

これが、キリスト教会の歴史、西洋・オリエントの思想史に大きな謎を投げるナグ・ハマディ写本の発見です。二世紀のグノーシス派の文献が大量に含まれていました。私は死海写本よりずっと重要だと思っています。

ナグ・ハマディ写本の内容について、わかりやすく解説した本書が、優れた訳者・研究者によって訳されたのは喜ばしいことですが、1982年の初版では、「ナグ・ハマディ写本」そのものの知名度が低く、それほど読まれなかったようです。再刊にともない、西洋の思想に興味のある人には是非お薦めしたいと思います。

「訳者あとがき」にも言及されているように、ややテーゼを立てるのに急で論拠がしっかりしていないところがありますし、フェミニズムの傾向も少々鼻につきます。また、キリスト教の成立史に限った解説ですので、非キリスト教も含む広さをもつ「ナグ・ハマディ写本」・グノーシス思想の解説としては狭すぎるように思いました。しかし、ジャーナリスティックで明快、挑発的な文章は、翻訳も良いせいか読み易く、興奮させられます。
「訳者あとがき」の批判や、新約聖書の成立史としては、クセジュ文庫のクルマン「新約聖書」も併読すると、より良いと思います。