ピータードラッガーがウォレン・ベニスの最高傑作と賞賛しただけのことがある内容である。というのも、ウォレン・ベニスはこの本の中でリーダーとして備えるべき根本的な内容を解き明かしているからである。
まず、世代を超えたリーダーに共通していたのが誰もが大きな試練を越えているということと、それだけでなく常に試練をチャンスと捉え肯定的に受け入れ克服し続けているということである。
そのような中で、リーダーに必要な要素である、適応性、意味の共有化と他者の巻き込み、意見と表現、高潔さ、の4つの能力を獲得していくのだと言う。
また、著者は先天的なリーダーとしての能力を否定していながらも、ネオテニーという内容のものをそれに近い形で用いているところにリーダー形成の深みを感じる。 ネオテニーとは、子供のころから持っている純粋な夢を求めるような心とでもいえよう。リーダーになる人物は、上記の内容と共に大人になってもこのネオテニーを失わないという。
リーダーという存在の真の内容を体系的にとらえた価値のある本であると思う。